こんにちは、静岡担当岩本です。
先日、函南町にある「かんなみ仏の里美術館」に行きました。京都、奈良などに1人で寺院、仏像鑑賞などに出かける事もあり、自分のライフワークでもあります。こんな身近に国の重要文化財の仏像を所蔵している美術館があるのを最近知り、今回行ってみました。
ここは、函南町のJR函南駅から5分位の小高い静かな環境にあります。平安、鎌倉の昔からこの里に住む人々が、明治時代に有志で「桑原薬師堂」を建てて大事に守ってきた24体の仏像が平成20年に函南町に寄付されたため、この町民の財産を多くの人が鑑賞できるよう美術館が建てられました。
美術館の裏は日本庭園が作ってあり、館内からも大きなガラス越しに庭を鑑賞できるようになっています。〈写真がありませんが・・・〉落ち着いた素敵な所です。
玄関
以下、美術館の展示物は写真が撮れませんのでパンフレットの写真です。
「県指定有形文化財・薬師如来坐像」榧材で平安時代中期と推測されています。優しい顔立ちですが彫り方はシャープ。左手に万人の病を治す薬の壺を
持っています。高さは1.1メートル、作者不明なため、国の指定重要文化財にはなれないようです。
薬師如来を信仰する人々を守る一二神将立像・十二支の干支を頭に載せている像です。【子】は北、【丑】は北北東、【寅】は東北東、というようにそれぞれの方向ににらみを効かせています。一人に付7000人の部下を従えているそうです。なので薬師如来の下には84,000人の部下がいることになります。高さは1メートル前後ある大型の像が12体が揃っているのは大変貴重とのことです。
町に寄付されたとき、この12体の像は手足が取れていたものが多く有り何回も隠したりして移動したことが伺えますが、美術館に引っ越すときに久薬師堂の屋根裏の木箱に保管されていたのを見つけ、専門家に修復を依頼し、順番に直していったそうです。
この美術館が出来る前は「桑原薬師堂」内にあり、人々から厚く信仰され、守られてきました。
国指定重要文化財「阿弥陀如来及び両脇侍像」檜材・〈慶派〉一門の康慶の弟子にあたる『実慶』作で運慶とは同年代らしいです。阿弥陀如来の両脇には観音菩薩像と勢至菩薩像を従えています。
シーンと静かな館内で仏様を鑑賞していると心が洗われますね。
なかなか落ち着いてこんなに沢山の仏像を鑑賞する機会もないので行ってよかったです。修禅寺にはこの阿弥陀三尊像を作った、実慶作の『国指定重要文化財』の大日如来坐像が安置されているそうです。また、行って見たいです。
こちらの美術館もボランティアさんが丁寧に説明してくれますので仏像初心者でも入りやすいです。
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