こんにちは!富士五湖現地スタッフの富士まりもんです。
ちょっと前の話になりますが、富士五湖のひとつ「西湖」にクニマス展示館がオープンしました。クニマスはさかなクンと共に「奇跡の再発見!」と当時マスコミを賑わしたので、ご記憶の方も多いと思います。
「奇跡の魚」クニマスの辿ってきた道
かつて、クニマスは田沢湖(秋田県)だけに生息した固有種でした。しかし、1940年頃に田沢湖の急速な酸性化によって絶滅し、液浸標本17体(アメリカ合衆国に3体、日本に14体)だけが残るのみで、環境省のレッドリストで「絶滅種」とされていいました。
しかしクニマス絶滅以前の1935年、人工孵化実験を目的に、山梨県の本栖湖や西湖の他、琵琶湖や長野県、富山県など環境の似た場所へ「発眼卵」を送ったという記録が残っており、田沢湖町観光協会では1995年11月には100万円の懸賞金、1997年4月から1998年12月まではなんと!500万円の懸賞金を懸けて「クニマス探しキャンペーン」をしました。その結果、全国から14尾が集まったそうですが、鑑定の結果いずれも「クニマス」とは認定されず、発見には至らなかったとのことです。
ところが2010年、山梨県の西湖にて生存個体が発見され、「奇跡の再発見!」とマスコミで大々的に報道されたのです!
きっかけは、京都大学の中坊徹次教授がタレントでイラストレーターでもある「さかなクン」にクニマスのイラスト執筆を依頼したことから始まりました。「さかなクン」は参考のために日本全国から近縁種の「ヒメマス」を取り寄せ、西湖から届いたものの中にクニマスに似た特徴をもつ個体があることに気づきます。中坊教授の研究グループが解剖や遺伝子解析を行なった結果、西湖の個体がクニマスと判明したのです。
今から80年以上も前、田沢湖から西湖に送られたクニマスが、西湖で人知れず繁殖を繰り返して命をつなぎ、生き延びてきたことを思うと感動を禁じえません!
西湖の漁師の間では、以前から「クロマス」と呼ばれて存在自体は知られていたそうですが、「ヒメマスの黒い変種」と考えられていたそうです。産卵前の黒くなったヒメマスは不味いので、釣れてもリリースされることが多かったそうで、それも幸いしたのかもしれませんね。クニマスが生きていた!という知らせを受けた秋田県仙北市と田沢湖観光協会は、国や県と協力して田沢湖の水質改善を進めるなど、クニマスの里帰りを目指しているそうです。いつか命のリレーをつないできた西湖のクニマスが、故郷の田沢湖へ里帰りできる日を思うとウルウルきます。【参考:ウィキペディア】
クニマス展示館はこんな感じ
展示館は西湖ネイチャーセンター内に併設され、こじんまりとした施設です。お隣には総延長350m以上と富士山麓で最大級の溶岩洞窟である「西湖コウモリ穴」があります。
コウモリ穴のみ有料、クニマス展示館等は入場無料です。
クニマスの成魚(40センチくらい?)が2匹水槽に展示されています。スタッフのお話によると、これはちょっと太りすぎだそうで、野生ではもっとスマートな形をしているとのこと。やはり毎日餌をもらって運動不足なのでダブつくんでしょうか?(笑)
こちらは稚魚。体長10センチほど。
ヒメマスとの比較展示もされています。普通に見ても全く違いはわかりません!
クニマスの生態や辿ってきた歴史など、パネル展示も充実しています。
西湖周辺のジオラマ。
西湖にはクニマス・ヒメマスだけじゃありません。こんな大きなウナギもいるんです。直径約6センチくらい(すごくアバウト)の日本ウナギです。そういえば土用の丑の日も近づいてきましたね(笑)。
富士五湖へお越しの際は、ぜひ西湖のクニマスに会いに来てくださいね!
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以上、富士まりもんでした。
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