みなさんこんにちは、富士五湖地域の案内スタッフなるたかです。
梅雨真っ最中で肌寒く、部屋では暖炉を焚いてしまう日があるくらいです。
今回は、まだ県外への移動もできなかった際に行った「芦川町すずらんの里」をご案内します。
〈アクセス〉
芦川町への河口湖インターからのアクセスは、2008年に開通した若彦トンネルにより、かなり行きやすくなりました。ちなみにこの若彦と言う名前は甲斐と駿河を結ぶ若彦路からきているそうです。河口湖北岸の大石地区を通り過ぎ軽く上るとトンネル。
そこを通り抜けると芦川町です。目的地のすずらんの里はここから約3キロ登っていくとあります。
街灯はすずらんをデザインしたオリジナル。夜はどんな感じになるのでしょう?
ところで芦川町とご紹介しましたが、編入合併により2006年より笛吹市芦川町となりました。芦川渓谷から斜面にそって開墾された段々畑がつづいており、今回の道中もその見事な石垣を多く見ることができました。
また写真がなく残念ですが、養蚕が盛んだったので、兜づくりといわれる特徴的な屋根を持つ民家が数多く残っています。
〈いざ散策へ〉
いよいよ入り口に到着。
事前情報どおり、自粛期間中は観光バスもきておらず、例年行われていた「すずらんの里まつり」も中止となっていました。
道路沿いの駐車スペースより徒歩にて森の道を上っていくと、再び石垣。
公衆トイレにはすずらんのマークが。
本来ならここで名産のこんにゃくを食べたかった売店もお休み。
刺身も手打ちも両方食べたかったです。以前はこんにゃくいもを生産する農家は多かったそうですが、収穫するのに数年かかる大変さ、作り手の高齢化などもあり地元で作られるいももだいぶ減っているようです。
売店壁には新聞記事が。
「このすずらん群生地、今はお亡くなりになった藤本さんという方が昭和47年から20年間ほど一人で守ってきた。そしてこの群生地が県の自然記念物に指定されたのち、正式に村長より管理を委託された。」という内容。また管理方法の試行錯誤、植物持ち出しの防止などたいへん苦労されたようです。
〈すずらん群生地へ〉
いよいよ群生地入口。電気柵で動物対策。
芦川中学校の少年少女隊にも感謝です。
すずらんの里情報によると、広さは2.6haで株数は260万株ほど。種類は日本スズランで、ドイツスズランより説明の通り可憐な印象です。
すぐ下にもうありました。素直に「おおー」となりました!!
このエリアは白樺の白と若々しい緑の気持ちがいい空間がひろがっています。
遊歩道のトレイルもしっかり整備され大変歩きやすいです。
〈間伐材の地産地消〉
途中の小さい橋は丸太をうまく活用してありました。
このような間伐材をうまく利用している現場を見ると、「山荘ライフ」もっといろいろチャレンジしないとなぁと元気をもらえます。
先ほどの藤本さんの記事によると、このようにすずらんが群生するのに必要なお世話は主に下草刈りなのだそう。特別に肥料を持ち込んだりではなく、育ちやすい環境づくりのお手伝いを地道に続けるのが一番だったとありました。
去年の台風が原因か松を間伐し整理した後がありました。
もちろん倒れたままではその下からすずらんは出てこれなかったでしょう。今回このように花を見ることができること、改めて地元の方のご尽力に感謝しました。
見事な白樺林に見とれていると、幹に絡まる葉っぱを発見。このハート型の葉っぱはもしやと思いよく見るとおそらく山芋。やはり電気柵がなければ猪などが地面を掘り返してしまうのでしょう。芽吹きの季節は新芽を鹿に食べられるだろうし、保護されて成り立つ群生地なのだと改めて思いました。
〈もう一つの楽しみ、新道峠へ〉
すずらんを楽しんだ後、もう一つ行きたいところがありました。よく富士山と河口湖がセットになった写真が撮られているポイント、新道峠です。駐車場からさらに道を上っていくと、観光バス用の大きな駐車場。そこにある看板で場所を確認。
ところが・・通行止め!
展望台整備のためとありました。残念。きっと来年のすずらんのシーズンである6月ごろにまたチャレンジしたいと思います。
この芦川町、まだまだ魅力的なところがたくさんある場所。何百年も人が暮らし続けてきた歴史がある山間の土地。別荘地と違う開墾の重みが景観からも見て取れました。そしてはじめは個人が保護していたすずらんが、いまでは本州随一の群生地にまでなったことも、やはり山との結びつきが人々の中に強くあるのではと感じられました。
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