田舎暮らしの世界遺産探検 ~船津胎内樹型~

富士五湖・伊東・芦ノ湖の情報

こんにちは。富士五湖案内スタッフのなるたかです。一日の最低気温がマイナスを示すようになり、すっかり冬景色の富士五湖地域です。そろそろ初雪も降るかもしれず、住民の皆様は「車のタイヤ履き替えた?」と挨拶がわりに聞くようになりました。

<別荘地から歩いて行ける世界遺産>

今回は、「別荘地から歩いて行ける世界遺産」をご紹介したいと思います。富士山自体が世界遺産なので、富士桜別荘地は世界遺産の中にあるようなものなのですが、世界遺産のメインである「信仰の対象」となっているのは主に富士山五合目以上であり、それとは別に世界遺産の「構成資産」がいろいろあります。例えば、「北口浅間神社」や「河口湖」「本栖湖」などの富士五湖のひとつひとつなども世界文化遺産の構成資産として2013年6月に登録されました。その構成資産の一つ「船津胎内樹型」に今回は行ってきました。先ほど述べたとおり、富士桜別荘地から歩いて行けます。これって実はすごい!?

富士桜別荘地から富士スバルラインに向かって歩いて行くと、「河口湖フィールドセンター」が左側に見えます。外観はこんな感じです。看板のネズミがかわいいです。

このセンターは、地元の小中学生や修学旅行で富士五湖地域を訪れる学生たちの研修ポイントのひとつです。センター内で、後述の「バードコール」を作る体験をしたりトレイル内を散策したりできます。フィールドセンターの敷地内にあるのが、世界遺産・船津胎内樹型です。

<胎内樹型とは??>

船津胎内樹型は、平安時代に富士山から流れ出た溶岩流の一つ、剣丸尾溶岩流の中にできた溶岩樹型です。溶岩樹型というのは、富士山が噴火した時の溶岩が、森の木の上を覆い、流れていったあと、中の木が燃えて、木の形に残った穴のことです。富士山周辺には大きさも形も様々なものがたくさん見られます。船津胎内樹型は、倒れた複数の大木が折り重なってつくられた地質学的に貴重な自然の造形物で、総延長70メートルに及びます。国の天然記念物に指定されています。

<入れない…?!>

センター周辺のトレイルは、残念ながら今年度は立ち入り禁止。昨年はセンターそのものが立ち入り禁止だったのですが、今年度は胎内樹形とセンターは立ち入り可能で、トレイルは学生の団体のみ入れるそうです。私はコロナ前にトレイルも一度訪れたことがありますが、大小20以上の「溶岩樹形」の穴がボコボコ開いていて、なかなか面白かったです。来年度以降の予定はこれから話し合うとセンターの方が言っていました。一般の人も入れるようになるといいですね。

<神社の鳥居がある>

この神社(無戸室浅間神社/胎内神社)の鳥居の奥は洞穴になっていて、人が入ることができます。祭神は木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)で、古事記にはこの地は木花咲耶姫命が出産した場所であると伝えられており、安産・子授けのご利益があるとされています。センターで受付をして、大人200円小学生以上100円の拝観料を納めてから入ります。現在はコロナ対策のため、マスク着用の上、一度に1グループのみ入れるようになっているようです。センターの人が、中の見どころを説明してくれます。神社の天井には、昔ここを訪れた人たちが残していったものがあり、興味深いです。江戸時代頃の人々は、富士山を訪れる前後にこの胎内洞窟も訪れ、「胎内くぐり」をして心身を清めていたそうです。

<「胎内樹形」の探検!>

洞窟入口にあるヘルメットをかぶります。以前来た時はなかった気がしますが、中はかなり狭いし天井が低いので、できるだけかぶって入ったほうがいいと思います(私も何度か頭をぶつけましたし、後からヘルメットをかぶらずに入った方がヘルメット必要!と話していました)。消毒用のスプレーもあり、使用後はスプレーして元の場所に戻すように言われました。もちろん安全のためもありますが、かぶると探検気分が盛り上がります!

<中はこんな感じ>

穴の中は本当に暗くて狭いです。大人はしゃがんで入らなければなりません。地面が濡れている個所もあるし、段差もあるので、ゆっくり慎重に進みます。人のあばら骨のように見える溶岩の模様が壁についていて、まさに人の体内を思わせる様子です。「胎内」の名前の由来ともなったとのことです。

<母の胎内>

この横穴はかなり狭いです。今回は入りませんでしたが、奥は人が立てるくらいの空間になっており、祈りの場となっています。この空間は、木の根っこの部分が燃えてできた穴だそうです。この狭い穴をくぐって戻ってくると、まるで母の胎内を通って生まれ変わったように思えることから、この名前がついたそうです。

<乳の胎内>

最深部で、洞窟内の天井からぽたりと落ちてくる雫がありますが、昔の人はこの雫を布に受けて持ち帰り、妊婦の腹帯に挟んで安産を願ったりお乳がよく出るように願ったりしたそうです。妊婦さん自身はお腹が大きいし滑って転んでは大変なので、代わりの人が持ち帰っていたようです。

<外は明るい!>

出口が見えました。探検終了です。楽しかった! 夏場なら、洞窟の中と外ではかなり気温差があることでしょう。途中手をついて汚れた方は、手洗い場で手を洗うことができますが、冬場は凍結防止のため水を止めているので、センター横のお手洗いで洗ってくださいとのことです。

<センターも面白い>

センター内にも様々な展示があります。洞窟に入らず、センターだけの場合は、入場無料だそうです。

溶岩の標本がいろいろあります。流れ方や空気の入り方によって、いろんな模様や形ができているようで、見ていてとても面白いです。

床には、動物の足跡が。

足跡の主は、こちら。

お土産コーナーには、木を使った手作りのものが色々売られています。

こちらの「バードコール」は、2つの部品をこすり合わせると鳥の鳴き声のような音が出ます。森の中で上手にやると、鳥たちと会話ができるかも?

今回は、別荘地から歩いて行ける世界遺産、「船津胎内樹型」をご紹介しました。

また機会がありましたら、他のスポットもいろいろご紹介したいと思います。    

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皆さまにとって幸せな1日でありますように

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