「気候変動」と「TINY HOUSE MOVEMENT」

八ヶ岳・蓼科・北杜市の情報

こんにちは、二月ももうすぐ終わりですね。

八ヶ岳から現地コーディネーターの山田が

日々の話題や雑感をお伝えしています。

清里では暖かい日が数日続くと、寒さが戻り

三寒四温と云ってもいいのでしょうか?

中国東北部や朝鮮半島で昔からの諺として

シベリア高気圧の寒暖のサイクルを云った

言葉だそうですが、我々にとっても、春を

待ちわびる言葉として定着していますね。

確かに、真冬の真っただ中でも、厳寒日が

数日続くと、寒さも和らぎ数日暖かい日が

続いたりします。大陸性高気圧の強まりと

弱まりの影響をうけた天気だそうですが、

八ヶ岳南麓でも風のない穏やかな冬晴れの

日に野焼きをする農家さんが目立つ様に

なってきました。

八ヶ岳南麓では春の気配も感じつつ

 

今回の話題は温暖化についてです、

先日行われた国連安全保障理事会

(2月23日)気候変動問題について話し合われた

ハイレベル会合で、イギリスの著名な動物学者であり、

植物学者であるSir David Attenborough

(デイビット・アッテンボロー博士)が、現在の

気候変動の深刻な状況についてスピーチしました。

Sir David Attenborough

(兄は映画監督のリチャード・アッテンボロ―で作品は

「ガンジー」「遠すぎた橋」「遠い夜明け」などの大作が

あり、有名ですね。)

デイビット・アッテンボロー博士自身も、映像作家として

多くのドキュメンタリー作品を世に送り出しています。

スピーチの中で博士は、

今のまま気候変動への対策が遅れれば、国際社会全体の

安全保障上の問題を深刻化させると、警鐘を鳴らしています。

具体的には、水資源の枯渇と食糧生産の鈍化です。

これによって、発展途上国の紛争や民族間の衝突も激化し

貧困からテロリズムによって、先進国でも例外ではなくなります。

現在も、裕福層による水資源地の買い漁りや、一部では穀物市場の高騰を

招いています。環境の悪化は、海洋資源の争奪や、家畜飼料の買い占め

自然界の食物連鎖のニーズバランスが崩れれば、安全保障上の危機に面し

あっという間に文明が崩壊するだろうとスピーチしました。

「一度バランスを崩すと世界はあっという間に混乱に陥る」確かに

昨年からのCOVID-19感染症のパンデミックを見ていると大げさでなく

現実味のある話ではないかと思います。我々の道徳心や経済生活の

脆さを見ると先進国だから、日本だから、大丈夫だろうと云うのは

幻想でしかない様に思います。我々の暮らす資本主義経済において、

希少価値を持つものはコストが高騰し、日常にあったものが突然

手に入らなくなってしまうのが常。

豊かな水資源に恵まれた日本は各国の羨望の的

 

今回のCOVID-19ワクチンについても同じで、日本政府は

高いコストを費やしワクチンを手配している一方で

多くの貧しい国ではワクチンを得る事が出来ず、

それどころか基本的な医療さえ受けられない貧困状態です。

このまま世界レベルで気候変動対策を先延ばしにして行けば

ワクチンどころか飲用水や食料も裕福国家が独占してしまい

貧しい国は飲料水や食料を紛争やテロリズムに訴えていく

事になってしまうのではないでしょうか?現にトランプ政権下

の米国は共和党・民主党の政権争いではなく、裕福層・貧困層の

戦いであり、多くの都市で暴動が発生しました。世界のトップで

ある米国でさえ暴力による分断が発生し人種差別が公然と

行われた事は、正に安全保障上の問題と云えるのではないのでしょうか。

 

近年若い世代の間で目立ってきたある現象について

ご紹介したいと思います。

それは「TINY HOUSE MOVEMENT」です。

「タイニーハウスムーブメント」

若かりし頃のジェイ・シェーファー氏 https://www.kalw.org/post/luxury-living-tiny-house#stream/0

今を遡る事1999年アイオワ大学の美術教師

Jay Shaferジェイ・シェーファーが

約10M2(約6畳)の牽引架台の上に小さな家を築造した、

デッキ部分を含めて4.2m*2.3mの小さな生活空間は

雑誌で紹介され話題になる。

2007年に米国サブプライムローン問題から

世界不況に突入しアメリカでは銀行による

強制的なローン債権回収により多くの人が家を

追われ路頭に迷った姿を映した映像は未だに忘れ

られません。多くの人が銀行のセールストークを

信じて多額の借り入れをして結果的に破綻して

しまった出来事は、当時の若い世代の人たちに、はたして

「大きな家に住み多くの物に囲まれて生活していく事が

本当の幸せなのか」と云う疑問の発端になりました。

自然へのインパクトを軽減する小さな小屋暮らし

贅を尽した大きな家に借り入れ上限ギリギリまでの負債を

背負って35年間もローンを返済していくスタイルが

日本でも一般的ですが、その当時のアメリカでも同じように

銀行と契約して夢のマイホームを手に入れた人たちの末路を見て、

「その幸せが脆い砂上の城ではないのか」と感じた人が多くいました。

では、若い世代である彼らは、一生自分のマイホームを持てないのか

と云う思いの中で、大きな家が必要なのかと云う考えに至ったのです。

そしてスタイルは多種多様ですが、セルフビルドホームやトレイラーハウス

コンテナハウスの様なコンパクトな住空間を住居にして、必要最小限の

生活必需品だけ残して不要な物は処分してしまう「断捨離」を実行し

そうして始めた「タイニーハウスライフ」はメリット・デメリットが

多用で、DIYで建てる事も可能な規模である事から、全米各地で

ワークショップが盛んに開かれミーティングで出来た人脈を通じて

協力しあうコミュニティが形成されました。このライフスタイルに

よる諸問題の解決方法(税問題・法規制:例えば車輛への滞在は

年間の車両えの滞在制限日数が州法で決まっているケース等)を

コミュニティ内の情報交換によって解決や対策を話し合う事が出来ます。

BRUTUS CASAの表紙から「自然と暮らす」No186 SEPTEMBER 2015  マガジンハウス社

更には、「タイニーハウスライフ」を実践する人々の多くは、

現在の環境破壊問題への関心も高く、公共インフラ(電力・上下水道)

への接続にも慎重であったり・OFF-GRID・LIFEへの関心の高さや、

移動可能な、自由度の高い生活を目指す人々も多く存在しています。

特にデジタルネイティブ世代はテレワークを通常の仕事環境としている為、

WEBに接続さえ出来ればどこででも収入を得ることが出来ると云った

全く束縛されないライフスタイルの人たちもいます。

建築家のコルビジェも大型の公共建築だけでなく 自身のアトリエや別荘はミニマルな仕様だった。 マガジンハウス社

ブログの最初の方に述べました「気候変動」「温暖化」について、

タイニーハウスライフを送る人々は、その生活スタイルから、都市部に

生活する人々とは違い、より自然環境の豊かな場所で、又公共設備の

接続を必要としない厳しい自然環境で、日々変わりゆく自然と濃厚に

接しながら生活している人々が多く、今現在の自然環境の悪化を肌感覚で

感じています。そして、拡大を止めない資本主義に疑問を持ち、

無駄に費やされる自然資源と過剰な経済至上主義に警鐘を鳴らしています。

日本でも多くの若者や問題意識を持った人たちが、都市部を離れ

解体寸前の農家をリノベーションしたり、公共インフラと決別した

生き方を実践しYOUTUBEやSNSを通じて方法や有益な情報を教えてくれます。

コルビジェの地中海カップマルタンの小屋の間取            BRUTUS CASA特別編集「誰にでも分かる20世紀建築の3台巨匠」No186 2004年3月20日号より マガジンハウス社

 

 

コルビジェの地中海カップマルタンの小屋の意匠          BRUTUS CASA特別編集「誰にでも分かる20世紀建築の3台巨匠」No186 2004年3月20日号より マガジンハウス社

我々の多くは、一回のし尿処理に飲料可能な水を5Lも使って下水処理施設に

流しています。多くの貧困国では六価クロムや大腸菌に汚染された水を生きる

為に命がけで汲み、命がけで飲んでいる事も事実です。生まれた国が違うだけで

子供達が生命の危機に日々晒されている事実を考える時、私たちはどうすれば、

必要のない物と決別し、無駄を減らし、少しでも限りある自然資源を大切にする事を

意識出来れば、より多くの次の世代が安心して生きて行けるのではないかと考えます。

 

私たちは何も我慢する為に生きているわけではなく、皆さまのライフスタイルの中に

それぞれが有用な選択肢を持ち、多種多様なライフスタイルを送れる様に、不動産専門家

として、高額な物件だけでなく多様なライフスタイルに合った物件をご提案出来ればと

考えております。

 

長々とお付き合いありがとうございました、そんな私が八ヶ岳山麓生活の日々を

インスタグラムで紹介しています。ご興味がございましたら、

チェックしてみてください。

www.instagram.com/yatsugatake_foot になります。

よろしくお願いいたします。

それではご案内でお待ちしております。

 

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