みなさんこんにちは、富士五湖案内スタッフのなるたかです。ようやく富士山の白さが例年通りとなったようで、やはりほっとしています。寒いのは困るけど富士山にはしっかり雪が降ってほしい、とわがままな気持ちがこの地域では共通な気がしています。
年明けの早朝参拝で訪れた北富士浅間神社。なにやら改修しているエリアがあるようで、後日改めて見に行きました。
富士桜高原別荘地からは、北富士浅間神社まで国道に下りることなく、信号を2つ過ぎれば到着します。この時すれ違った車は1台のみ。密とは無縁の山中移動ですね。
<現場到着>
本殿裏の巨木の根元に駐車し、いざ調査開始です。
富士山への登山道の一つ、吉田口登山道の起点はここです。(裏からですが・・)ちなみに今回気になったのは写真右側のシートが建物全体にかかっているところです。
鳥居横にはこちらの石像が。井田浅行という方でしたが、詳細は不明。ただその場所と背負子をかけていることから、登山者を見守る役割かと思われます。
石碑の説明はほぼ読めず。
鳥居を表側から。上部中央の扁額にある富士山の文字ですが「冨士」と和冠になるのは富士の上には人はいない、神様のみという解釈を読んだことがあります。
外国の方はよくふもとから大きなバックパックを背負って登りに行きますね。神社内を迷わないように看板が。
<重要文化財 修理工事>
昨年秋より始まり、3年かけて各建物の保存修理をしていく予定とのこと。文化財ということでもちろん補助金は交付されるのですが、全国の修理を必要とする文化財はとても多く、順番待ちだそうです。看板に記載があるのは
・幣拝殿
・東宮
・西宮 ➡16番
・神楽殿
・手水舎
・随神門
・福地八幡社
・諏訪神社拝殿 の8つ。
<西宮本殿 修復現場>
シートがかかっているのが西宮本殿。
中にはこのような建造物があります。
北口浅間神社で最も早く重要文化財になったのは東宮本殿です。(1907年)その46年後の1953年に本殿と西宮本殿が認定されます。そしてその64年後
北口浅間神社で最も早く重要文化財になったのは東宮本殿です。(1907年)その46年後の1953年に本殿と西宮本殿が認定されます。そしてその64年後
- 拝殿及び幣殿
- 惠毘壽社及び透塀
- 神楽殿
- 手水舎(附 棟札1枚)
- 隨神門(附 棟札1枚)
- 福地八幡社(附 棟札2枚)
- 諏訪神社拝殿
- 社務所(附 棟札1枚) などが認定されています。
壁に一枚貼ってあった「小御岳神社遥拝祠」。富士山5合目にある小御岳神社を遥かに拝む場所があるのですね。
<携わる方達>
修復現場には大きく工事の看板が掲げられています。
塗装には古来から使われている漆が用いられています。
別荘地にはよくツタウルシがあり、秋にはきれいな紅葉を見せてくれますが、さわるとかぶれるので注意しています。またよく背の高い木に絡まり、結局その木を枯らしてしまう困った存在でもあります。この塗装用の漆はつたではなく、木の漆から採取したものだと思われます。今回は特に臭いなどは感じませんでした。
歴史的な建造物となると、一般的な住宅メーカーなどではなく、専門の業者の方が協力し合ってるようです。
施工者の田中社寺株式会社は1902年に岐阜にて屋根葺業として創業され、1964年に建築部を併設、国宝・重要文化財の保存修理を開始しています。
また小西美術工藝社は300年の歴史を持ち、「漆塗」「極彩色」「金工」「美術工芸品」という総合装飾美術の技を兼ね備える唯一の会社組織とのことです。
この許可が下りてようやくスタートしたんですね。
<どんな工事が?>
修復ヶ所がパネル展示されています。
西宮本殿案内によると、1594年に建立され過去には2度大きく修理が行われています。前回から約60年経って今回の工事になったわけですね。北口富士浅間神社の復興で必ず名前が挙がるのは、富士講光清派の村上光清です。荒廃していた北口富士浅間神社に私財を投じて1734年に大修復を行いました。
では各パネルを大きな写真で。囲いが建てられる前の様子です。屋根もだいぶ緑色、わびさびを感じるかもしれんせんが、こうなると下地は乾くことなく腐食は確実に進みますね。
上辺にある塗装で平気そうに見えても、中の木材がスカスカなんてこともあるのでしょう。このあと何十年、もしくは100年以上後まで補修ができないかもしれない建造物の修復はとことんやってほしいですね。
機械が使える分、以前よりは早くすすんでいきそうです。
この屋根は檜皮で葺かれていたので、すべて葺きなおし。現れた下地には腐れがあったようです。
雨戸などで遮られずに、多くの造作物が外気に触れた状態で時を経ていきます。屋根と塗装のみが木材を守ってくれているのですね。いやきっと部材の表面のカンナ具合や取り付け角度など、見た目と同時に保存具合を高める工夫もあるのかもしれません。寺社仏閣の建造物を外から拝む人にとって、一目で西宮本殿とわかる様式がとても大事に思われます。
同じ大きさに切りそろえられた檜の皮を留めながらおいていきます。幾層も重なりを持たせながら積み上げていくのでしょう。
文化財の補修では新しいものを作り出すのでなく、保存を目的としているので腐食した所のみ取り換えています。貫で楔はやはりかっこいいですね。釘何本分もの強さを一つの楔が発揮しますね。木と木同じものが、ずっと支えあって抑えあってます。
積み上げられた檜皮が切りそろえられ、荘厳な形となりました。
<現場を離れて目に入るは・・別荘地に使えるアイデア??>
垂木の数!!屋根にそりをもたせるため、大量の木材が用いられてます。
幹に蒔かれた藁。越冬?害虫駆除目的のこも巻き?とりあえずアートのように見えました。
本殿の受付上部には吊り下げ型の戸板が。注目したのはこの吊り下げ金具。ねじってあり、朱色に塗ってあります。強度と見栄えが私にはとても印象的でした。
本殿の参拝者が上り下りする階段。お正月だけで通常の一戸建て100年分以上の人が上り下りしたことでしょう。
エイジング加工という言葉がありますが、この階段に現れたエイジングは、おそらく表現しきれないでしょう。
柱の下の装飾。根巻金具。飾りと腐り防止の補強材。向拝屋根の支えとしてとても太い柱につく金具も、ビッグサイズです。
遠くからはわかりませんが、縁は丸みを帯び、表面には植物の絵柄が浮き上がるよう造作されています。
神楽殿のしたにウォーカーを押しながらの参拝。朱色と黒のコントラスト、この屋根の高さ、柱の長さ、太さ、遠近感がぼやける風景でした。
地面に接する所は先ほどの根巻金具、石畳の上はちょっと浮かしてありました。
手水舎では柄杓の共用を避けるための工夫が。高低差のうち流し状態でしょうか?
<太郎杉をどうにか・・>
その姿、存在感がご神木の太郎杉。
ただ幹にはビス止めされた皮がありました。樹齢千年といわれ、地中にはものすごく立派な根が広がっているはずです。もし別荘地にそんな立派な樹があったらどんな風だろうと、思います。
<おみくじに入っておられるは・・>
本殿後ろに恵比寿社があります。恵比寿様と言えば商売繁盛などのご利益をお願いされる神様。
おみくじがあり見てみると、小さな恵比寿様が・・・入っておられました。
今回はご紹介できませんでしたが、ここ北口富士浅間神社には非常に多くの神様や人が祀られています。そしてその建造物は数十年でなく数百年の時間を超えてありました。まったく新しくない建物なのに、新築の家より価値があるように感じるのは、神社だからでしょうか?
中古物件にもそんな価値が生まれる維持の仕方があればなぁ、と修復現場からヒントをもらえた一日でした。
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0120-404-432
(フリーアクセス、携帯・PHSからも通話可能です)
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