田舎で訪ねる 母の白滝 遥拝の冨士

富士五湖・伊東・芦ノ湖の情報

こんにちは、富士五湖地域案内スタッフなるたかです。甲府でも20度越えの日があったり、自宅庭でふきのとうが獲れたり、春かも・・と思っても今朝の外気温はマイナス5度。暖炉への火付けも継続中、まだまだ冬・・です。

ならば冬ならではの景色をばと、滝を見に行くことにしました。

<いざ滝へ>

河口湖の河口浅間神社の脇を抜けて坂道をズンズン登っていきます。4WDでないとおそらく無理かもしれません。日陰はこの時期絶対に氷が融けませんので。

看板に従い突き当りの駐車場で車を降り、あとは300メートルほど歩けば到着。

母の白滝です。背の高い木々に囲まれたところ、気温もあまり上がりません。

通常なら、この写真(山梨観光協会HP)のように氷のオブジェとなってるのですが、

降雪量が少なく暖冬の今年は、流れる幾筋の細い滝もみられました。

岩場に根を延ばし、張り付くような傾斜に伸びる大きな松の木は健在でした。

久しぶりに訪れましたが、滝だけでなくこの場所自体がもつエネルギーを感じました。

ふもとの浅間神社には約1200年前から冨士への畏敬に人が集いはじめました。そして実際に冨士へ赴く前に、自身の身を清めるため、この滝で禊をしました。

ここで滝行をしている方を実際に私も見たことがあります。

癒しというほど和やかな雰囲気ではなかったです。行を終えられたかたに話を聞いた際、その表情は苦しいとか達成感とかでなく、淡々とされた感じでした。

やはり見るだけでなく、打たれないとわからないということかと思われます。

そんな滝は別荘から約20分のところにあります。

今回はふもとの浅間神社の宮司さんが去年よりスタートさせた「冨士山遥拝所」についても紹介します。

<神社と滝の間に生まれた遥拝所>

母の白滝への道中、左側の斜面がきれいに伐採され、歩道が作られています。6台ほどの駐車場がありますが、真冬の朝9時ごろではまだ誰もいませんでした。

車を停め進んでみると、斜面には苗木が植えられ、それぞれに小さな看板で個人名や会社名が記されていました。

どうやら桜の苗木のようで、背丈は1メートルほどでしょうか。

朝日でとけた霜柱がぐちょぐちょとしており、端のまだ固いところをちょこちょこ進みました。

視線を上げると、どうやら平らに広場のようになっているようでした。

道中右側には伐採された木がまだたくさん置かれていました。これからまだ植樹が広がっていくのしょうか。

ここで看板に「富士山遥拝所」とあり、上にあるのが遥拝所とわかりました。

売店が見え、テラス席のように椅子が置かれています。コンテナの上がきっと眺望が良いのでしょう。

おっ・・

これはっ・・・

・・

まさしく遥拝所という場。

きっと日本人ならかなりの確率で手を合わせるのではないでしょうか。

富士山は「信仰の対象と芸術の源泉」として世界遺産に2013年登録されました。

以前、母の白滝で禊をして信仰の対象である富士山へ向かった方がいました。

そしてそばへ行けない人たちも、数々の芸術作品の中に描かれた富士山を見ていました。

しかし・・・写真撮影には会員証が必要なようです・・500円で販売中。

<数々のお願いや注意が>

他にもいくつか案内がありました。

「この先は事故防止のため日没から日の出まで立ち入り禁止とします」事故があったのでしょうか・・

助かりました。実はこの紙を見る前にスマホですでに写真を撮っていました。

しかし、スマホはよくて、一眼レフなど本格的なカメラでの撮影は不可とは何故?

そして長時間の撮影はご遠慮してください、とあります。

そして詳しい注意書きがありました。

まず遥拝所とは、「富士山をご神体として遥拝する場所」としっかり明記されています。

そして撮影に際して会員証が必要なこと、駐車マナーなど。

さらに撮影の注意点。植物の保護はもちろん、撮影してもいいエリアの確認、ごみの持ち帰りなど。

より詳細な撮影注意点。フラッシュや場所の占拠、植物の破損、ドローンについてなど。

ここまで細かい撮影に関する注意書きがあるのは珍しいです。どんな事情があるのでしょうか?

<経緯判明>

登ってくる途中に見えた売店に人が見えました。

会員証のことを伺いに話を始めると、詳しいことがわかりました。まずお話を聞いたのは、この土地の所有者である浅間神社の宮司の息子さんでした。吹きさらしの中厚いダウンを着て開店準備を終えられたところでした。

まず会員証がなぜできたのかというと、撮影マナーをあまりにも守らない人たちがいたからということでした。

自分の気に入る一枚を撮るために場所を独占し

桜の枝を曲げたり、折ったり

鳥居に対し失礼な撮影を行ったり

憤りを示されながら説明してくれました。撮影エリアを設けたのも、芝生が根付くまで多くの人に踏みつけられると困るから。推測するに、鳥居の向こう側の桜の苗木が植樹されたエリアにも居座る方がいたのでは。

売店かで接客しながら、この場所に必要なルールを理解してもらえるよう対応している。

あまりにも熱心な人による、桜の枝おり事件はここでなくてもありました。自分の納得する一枚のため、不要と思われるものはとにかく邪魔、のこぎりで湖畔沿いの大きな桜の枝を切ったという記事が以前ありました。

<素晴らしくなる場所>

そのあとの話を聞けば聞くほど、この場所のこれからが楽しみになりました。

山林だった場所に植えられた桜、個別に囲いで植えられたものがいくつもあります。

日本三大桜

三春滝桜(福島県三春町)、神代桜(山梨県北杜市)、淡墨桜(岐阜県本巣市)

の苗木を、この場所の意義を理解してもらうことで分けていただいたそう。

宮司の息子さんはその苗木を直接引き取りにも行ったそうです。

三春の滝桜。

         

淡墨桜(岐阜県本巣市)

 

神代桜(山梨県北杜市)

<地域とのつながりも>

観光地として有名な河口湖ですが、周辺の空き家は増えています。相続した不動産を手放すのは良しとしない風潮は確かにありますが、土地の上物である建物は所有者によって形を変えていきます。

そこでこの遥拝所のエリアで、廃棄されてしまうような文化歴史的にも意味のあるものを譲り受けようとしています。

    

近く売店の上側の道路からの入り口に、御師の家の門構えが据え付けられるそうです。いぜん御坂の峠を越えて富士山巡礼にきた方たちをもてなした御師住宅。駐車場の案内のとおり、ふもとの浅間神社周辺で車をおき、歩いて遥拝所までくれば、当時の巡礼者がくぐった御師の家の門が迎え入れてくれる。そこで目にするのは

<育てていくには協力が必要>

先ほどの息子さんの話で、「確かに撮影マナーの悪い方がいたのは事実です。でもこの場所の意義を理解して、できるだけ多くの人がトラブルなく過ごせるにはどうすればいいのか、一緒に考えて行動してくれた人たちの中にも、カメラマンの方がいらっしゃいます。」と伺いました。

遥拝所という場所で、恥ずかしくない振る舞いをすることは、最低限のマナーであり、携わる方達への協力だと思いました。

三大桜以外にも珍しい桜がありますので、ぜひ行ってみてください!

富士五湖の中古別荘はこちら

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内覧のお申し込みは
0120-404-432
(フリーアクセス、携帯・PHSからも通話可能です)

営業時間
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