相続が発生して不動産を売却する際に気を付けたいこと

不動産売却のトラブル

相続問題

一般的に不動産の売却を行うのは人生の中であまり多くはありません。

不動産投資家などの一部の人を除いて、一般人であれば住み続けることを前提として不動産を購入することはあるものの、その不動産を売却するシーンというのは滅多にないと思います。

また、よほどの余裕がなければ住居以外の不動産を購入することは考えづらく、仮に購入してもそのまま別荘的な使い方をするものの、売却まで検討するケースは頻繁に見ることがありません。

ですが、相続の場合においては一般人が不動産を売却するケースが高い確率で発生します。

例えば、自分の住居が確保されている状態で、ご両親などの被相続人が所有している不動産があった場合にはそれを相続し、活用しないのであれば売却して金銭に換えるという考えは自然といえます。

実際にもそのような流れが非常に多いです。

まず相続が発生したときの流れとして

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  1. 戸籍謄本などをとって相続人を確定させる
  2. 全相続人と連絡を取る
  3. 遺言書の有無の確認、遺産分割協議を行う
  4. 相続登記をして売却する

という順番で進めていくのが通常です。

しかしながら、被相続人が亡くなったとたんに我先にと口座から無理やりお金を引き出そうとしたり、住んでいた住居を売ろうとしていきなり隣近所などの知り合いに売却の話を持ち掛けたりする人が一定数います。

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行政書士 長尾

今までは仲が良かったけど、相続が発生して金銭が手に入ると分かった瞬間に人が変わり親族と争いになるパターンは現実に典型的といってよいほど多いです

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今村

そんな争い事、私達家族がするわけがない!と思っていても起きてしまうのが相続問題ですよね。私もいい歳なので明日は我が身です。

当然ですが、そんなことをしても相続人が確定していない限りは無駄なことになりますので、ここでは相続が発生してから不動産を売却するまでの大まかな流れを知っておくことで、いざというときに慌てずに行動できるようにしておきましょう。

 

登記簿謄本で所有名義人を確認する

登記簿謄本で所有名義人を確認する

不動産を売却するためには、相続登記を行って所有名義人の名前を相続人にする必要が出てきます。

被相続人が亡くなったからといって、登記が済んでいない段階ではまだ他人(被相続人)の所有物です。

他人の所有物を勝手に売ることはできませんよね。

また、じつは被相続人の住んでいた住居が別の所有名義人になっているというケースも結構あります。

この場合でもパターンがあって、一番多いのは被相続人が相続した場合に名義変更をしておらず、さらにその親の名義になっているというケースです。

このケースであれば正当な権利者に名義変更を協力してもらえることが多いですが、完全に他人の名義となっている場合には、売却して現金化することはほぼ難しいでしょう。

それどころか所有名義人から不動産の買い取りを請求されることもありますから、そうしたトラブルをあらかじめ予測しておくためにも登記簿謄本は確認しておくと良いでしょう。

 

戸籍謄本などで相続人を確定する

戸籍謄本などで相続人を確定する

相続の手続きでもっとも重要といってよい作業になります。

ここでもし一人でも相続人の漏れがあると、遺産分割結果に対してみんなが納得していたとしても協議を初めから漏れていた人を加えてやり直しになります。

よく、うちは相続人これしかいないから大丈夫だよと言って高を括る人もいますが、実際に公的書類で調査してみたら20人ぐらいに膨れ上がった事例もあります。

特に前述の相続登記をちゃんとやっていないような人ほど複雑な血縁関係であることが多いので、そのような場合だと一般人が相続手続きを行おうとしても何年もかかることがあります。

少しでもうまくいかなさそうであれば専門家に依頼したほうが無難でしょう。

 

相続人全員に連絡を取る

相続人全員に連絡を取る

相続人全員が判明したら、その相続人全員に連絡を取らなければなりません。

ここでもよくあるトラブルが、その相続人が亡くなっているとか、海外に行ったまま行方不明になっているというケースです。

亡くなっている場合には相続人の子供が引き継ぐ代襲相続がありますが、行方不明の場合には不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申し出る必要があり、その際には利害関係人を選任することは難しいので、やはり専門の弁護士などに依頼するほうが良いでしょう。

 

遺言書の有無や遺産分割協議書を作成する

遺言書の有無や遺産分割協議書を作成する

相続人が全員揃ったところで、被相続人の遺言書が正しい手続きで作成されていればその内容で遺産を分割していくことになりますが、遺言書がない場合には相続人同士で話し合って遺産分割協議書を作成します。

しかし、その遺産分割が確定する前段階でも不動産の売却条件や、売却の意向が全員一致していれば相続人全員の同意のもと売却することが可能です。

ですが、不動産の売却には大きな責任が伴いますし、対象不動産に対する細かい情報や入念な打ち合わせが必要ですから、できれば分割協議を終わらせてから売却の話を進めたほうが良いと思います。

 

相続登記をどのようにするか

不動産の売買契約後に相続登記が必ず必要となってきます。

この場合、不動産の売却を前提として相続する場合は遺産分割協議のときに不動産所有名義人を誰にするかを決めておきましょう。

また、遺産分割協議書や遺言書がなくても、法定相続分で登記することができます。

 

注意すべき遺留分について

注意すべき遺留分について

相続では遺留分というものが認められています。

この遺留分というのは、例えば被相続人が特定相続人一人に対して全てを相続させるという内容のものであったとしても、民法で配偶者、子供、父母が最低限相続できる取り分が決められているため遺言書の内容通りに相続ができなくなることがあります。

遺産分割協議であれば、遺留分の問題が出てくる可能性は少なくなりますが、遺言書が出てきた場合にはこの遺留分を主張して減殺請求をされることで不動産の売買契約に支障が出ることが考えられます。

ですから、不動産の売買契約は必ずこれらの分割協議や遺言書の検分などが済んでから行うことです。

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行政書士 長尾

相続では一刻も早く現金を手にしようとする人が多く、リスクを回避する判断もできなくなります。焦ってもますます複雑になり相続が終わらなくなりますから、落ち着いて行動しましょう

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今村

不動産の相続になると共有名義で相続する場合もありますが、権利関係でまた揉めることにも繋がるため、代償金を支払うという分割方法(代償分割)を薦める税理士さんもいます

相続が発生して不動産を売却する際に注意したいことのまとめ

相続が発生して不動産を売却する際に注意したいことのまとめ

まず、不動産を売却するシチュエーションとして一般人がもっとも遭遇すると思われる状況がこの相続というタイミングです。

この相続のタイミングは突然やってくるため、落ち着いて考えることもなくただ被相続人の口座から無理やり金銭を引き出そうとしたり、勝手に故人の所有物を売り払おうとしたりする人がかなり多いです。

たまに役所の窓口などで相続の手続きが簡単に終わらないことを知って騒いでいる人もいますが、大騒ぎしたところで故人の財産は故人のものであり、他者が勝手に処分することはできないということは知っておきましょう。

それを肝に銘じておくだけでかなり落ち着いて行動できるようになります。

特に不動産の売却に関しては、その売買自体が非常に重要な行為であり、ただ早く売却して手元に現金が欲しいという意識だけが先行して、相手方のことを少しも考えなくなってしまいます。

そうなれば当然のことながら相続が終わっても不動産売買について長い間トラブルに悩まされることとなります。

また、相続が発生した場合は

  1. 戸籍謄本などをとって相続人を確定させる
  2. 全相続人と連絡を取る
  3. 遺言書の有無の確認、遺産分割協議を行う
  4. 相続登記をして売却する

という流れを大まかにでも頭に入れておくと良いでしょう。

また、相続手続きは非常に複雑になることが多く、その中でも不動産が残っていた場合には時間がかかることを知っておきましょう。

もし、最初の段階で相続人が多く時間がかかることが予想されるときは専門の士業などに依頼することが好ましく、自分たちでなんとか解決しようとすると消耗が大きくわりに合わないと思います。

そして相続財産に不動産が含まれていて、相続人が複数いる場合はその売買に関して責任の所在が曖昧になることがあります。

ですから相続不動産の売却については、その売買に関して代表者をしっかり取り決めておくべきです。

相続は誰にでも起きる可能性の高い出来事です。

そして、被相続人も自分に何かあった場合の相続のことについてはしっかり対策していないケースがほとんどですから、万が一相続が発生した場合には落ち着いて手続きを進めて不動産を処分する場合にはトラブルのないように注意しながら進めていきましょう。

この記事の著者

行政書士:長尾 文弘
行政書士:長尾 文弘
建築・不動産が好きなファイナンシャル・プランナー。行政書士。元不動産営業マン。
神奈川県横浜市出身
40代既婚
人生の中で大きい取引になる不動産。
その不動産の取引に関する基礎的な知識、不安の解決、ノウハウなど、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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