こんにちは、八ヶ岳エリアコーディネーターの山田です。
9月も残すところ数日、2021年もほぼ3/4が過ぎてしまいました。
八ヶ岳南麓の大泉集落や高根集落も稲刈りのシーズンに突入して
農家さんは大忙し、台風16号の進路にも要注意です、
現在（9月28日）沖ノ鳥島沖を北上中で早ければ10月1日には
山梨県にも影響が出るようですが、この時期に台風に来られると、
稲が倒れてしまって、最悪稲穂が泥に汚れて大変な事になります。
どうか台風16号がそれますように。
稲刈りの始まった大泉集落
さて今回は先日伺った調査対象のあるエリアについて
ご紹介したいと思います。韮崎市は神山・旭エリアです、
町名を云われてもあまりひらめかないかもしれませんが
実はとっても有名なスポットがありますので幾つかご紹介
したいと思います。先ずは「武田八幡宮」、時代は室町時代まで
遡りますが、武田家興隆の地がこの韮崎神山・旭エリアであります。
もっと遡り平安時代に甲斐武田家の祖『武田信義公』が
開基した菩提寺『鳳凰山願成寺』ここには、信義公の墓と
伝えられる五輪塔、後白河法皇が命名した鳳凰山の山号額があり、
武田信義公が寄進した木造阿弥陀三尊像（国の重要文化財指定）
が納められています。戦国時代に武田信虎公が天下攻略を見据えて甲府
北側の躑躅ガ崎に居城を構えるまでは、武田家のホームグラウンドは
このエリアであったという事になります。
歴史ファンにはたまらない史跡や武将ゆかりの寺社が多くあります。
同じく神山町にあります。『武田乃郷 白山温泉』と『韮崎大村美術館』
『武田乃郷 白山温泉』は今流行りの温泉施設とは違い、無駄な物のない
シンプルな温泉源泉は45.5℃毎分220リットル湧出量で、
泉質はナトリウム塩化物・炭酸水素塩線で神経痛や関節疾患、
冷え性、疲労回復に効能があるそうです。シンプルで清潔感ある館内
絵画や書が飾られ、気分良く湯を堪能できます。
韮崎市神山の集落から、七里が岩の南端部分と韮崎観音を望む
実はここ神山町は、ノーベル医学賞受賞の大村智医学博士の郷里で
この温泉施設と大村智博士が長年収集されてきた美術品を
展示閲覧に供した施設『韮崎大村美術館』は、博士の大切な
ふるさとへの恩返しの施設でもあります。日本画壇の鈴木信太朗、
梅原龍三郎民芸運動の浜田庄司・島岡達三・河井寛次郎・
バーナードリーチを初め沢山の美術品を観ることが出来ます。
そしてこの両施設からは、韮崎市街の夜景、茅が岳、遠くは八ヶ岳を
望むことが出来ます。
これは大村智博士の『眺望は人を養う』という言葉の原点となった、
博士自身が生まれ育ち眺めた原風景を見ることが出来る施設でもあります。
さてこの『武田乃郷 白山温泉』の横に『上小路』
というお昼のみの蕎麦どころがあります。
丁度お昼を過ぎ空いた時間にお伺いしました。
『武田乃郷 白山温泉』と『韮崎大村美術館』と
同じく派手さを抑え、本来の目的に特化した
スタイルのシンプルな内装と接客が好感を持てます。
一人でも入りやすく、明るい店内と窓から望む茅が岳の雄大な景色。
テラス席でもお蕎麦を頂けます。
今回は天ぷら定食を頂きました。これは美味しい！！
鶏天麩羅定食に三点小鉢付きで900円（税込） かなりボリュームがあります。
食事を終えて、県道甘利山公園線で椹池までドライブしました。
甘利山公園線は道幅も狭くなり林道の車幅なので走行注意、 更にヒルクライムのメッカなのでロードバイクも注意
椹池（さわらいけ）は、甘利山登山道入り口に向かう
途中の標高1240ｍ付近にある楕円の池。
標高1200ｍ、山の中の椹池、不思議です、どこか四尾連湖に似て。
1500年中頃、領主である甘利左衛門尉の子息が
池の主である大蛇にさらわれてしまい、
領民たちの捜索と大蛇退治の労をねぎらい
領主は甘利山を領民に与えたそうです。
またこの池の底には、鉄製の宝剣が刺さっており、
1984年に突然池が干上がった時、その剣の一部を分析
その結果は奈良時代以前！までさかのぼる古い物だった
そうです。確かに椹池は森に囲まれた神秘的な雰囲気で
数々の伝説もさもありなん、と云うところです。
確かに神秘的な湖面
県道甘利公園線はこのまま進むと甘利山登山の出発地
甘利山グリーンロッジ前に続いていますが、
今回はお客様との約束の時間なので残念ですが、
この椹池までで折り返しました。この椹池と甘利山は
レンゲツツジの群生地で毎年6月ごろに見頃となります。
又、甘利山から千頭星山、大ナジカ峠を越えて遥、鳳凰三山まで
南アルプスを堪能する縦走登山もおすすめです。これから
10月上旬から中旬にかけてこの一帯は美しく紅葉するので、
お時間がございましたら是非訪れて見てください。
韮崎市と云っても広く市内でも細かく地域によって特色があり
歴史や伝説などその地域にある史跡や寺社仏閣に老舗、更には池沼、
河川に山岳に至るまで、星の数に匹敵する程に多種多様な
言い伝えや伝承があります。もちろん、日本の田舎は何処にでも
同じように人々の暮らしの数だけストーリーがあります。
皆さまが田舎暮らし、移住先、別荘の候補地を探される時、
流行や利便性、土地の価値や資産性を考えるだけでなく、
民間伝承やその地域の歴史に触れる事を強くお勧めします。
甘利沢川が削った岩壁
甘利沢川の流れ
そこには災害に関するヒントや集落の性格、土地の成立ちなど
貴重な情報が含まれています。特にご家族で移住や田舎暮らし
をお考えの方、良い候補地が見つかったら、是非近くの神社や
お寺、お子様がおられない方でも保育園や小学校、図書館を
訪ねてみてください。可能であれば移住を考えている旨を伝えて、
その場所の人々から話を伺う事をお勧めします。子供がいなくても
学校を見ると云うのは、もしあなたが移住したとして、地域の一員
となった時、子供たちの見守りやボランティアで協力する立場に
なるかもしれません、子供達に知識を伝える場所、お寺や神社は
地域の歴史を記憶する装置です。
お伝えした施設は全て『知』の集積地です、
地域の教養を司る場所がいい地域では、初対面でも喜んで相談に
乗ってくれます。それらの場所でいい印象を得られなければ
残念ですが、移住の候補地から外した方がよいでしょう。
きっと移住後に、日々の暮らしで嫌な思いを経験するはずです。
如何でしょうか、長くなってしまいました。
八ヶ岳は収穫の季節、秋もまた八ヶ岳の魅力を増幅してくれます。
長々とお付き合いありがとうございました、そんな私が八ヶ岳山麓生活の日々を
インスタグラムで紹介しています。ご興味がございましたら、
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www.instagram.com/yatsugatake_foot になります。
よろしくお願いいたします。
それではご案内でお待ちしております。
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投稿者プロフィール
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10年前に東京から八ヶ岳に移住してきた、三人娘の父。
山の中のギャラリーを運営中。
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