働き方改革が進む中、政府は観光庁と一体になって企業へのワーケーション導入を推進しています。
休暇と仕事を組み合わせて生産性を向上させるワーケーションにはさまざまなメリットがあります。一方で、デメリットとして費用がかかる点を気にしている企業担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで活用したいのが、企業が活用できる補助金や助成金といった支援金です。この記事ではワーケーションの導入で活用できる補助金について、利用条件や金額等、気になる点を解説していきます。「ワーケーションの導入を考えているが、費用の負担が気になる」という企業担当者様は、参考にしてみてください。
目次
企業へのワーケーション補助金とは
企業がワーケーションを実施する際、実施形態によっては補助金や助成金などを得ることができます。それぞれのお金の違いは以下のとおりです。
▼補助金
国や自治体が予算を組んで実施する。多くの場合先着順で予算上限に達すると締め切られる。申請できる期間も決まっているため、いつでも利用できるわけではない
▼助成金
国や自治体が実施するもので、要件さえ満たせば受給できる可能性が高い
どちらにしても、基本的には返済不要の費用です。補助金は申請期間や予算上限があるため気をつける必要はありますが、それでも返済不要でワーケーションの費用負担を補えるのは企業にとって大きなメリットでしょう。
ここでは企業へのワーケーション補助金(以下、助成金も含んで「補助金」と記載)の特徴である「地方創生」、そして補助金の対象になるものや申請の流れを解説していきます。
補助金取得には「地方創生」につながるワーケーションがポイント
企業がワーケーションの補助金を得るうえで、ポイントになるのが「地方創生」です。
元々、政府によってワーケーションが推奨されている背景には、東京圏への人口集中を防ぐという狙いがあります。ワーケーションで地方に人を呼び込めるようになれば、サテライトオフィスの誘致や移住を促進できます。結果として、地方定住者が増え地方を活性化することにつながるでしょう。そのため、補助金対象となるワーケーションは地方創生につながるかどうかがポイントになってきます。
たとえば、以下のようなワーケーション事例は補助金対象になりやすいでしょう。
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- 首都圏集中型のオフィス体制を見直して、地方へサテライトオフィスをいくつか分散させ、気軽にワーケーションできる環境を作る
- 常時滞在するオフィス自体をなくし、原則テレワーク体制にして従業員の地方移住・定住を促進
- 地域産業への貢献につながる地方ビジネスの提案とワーケーションを組み合わせる
単なる社員旅行の延長線上で、リフレッシュ目的のワーケーションだと補助金対象にはならないでしょう。補助金を得るのであれば、ワーケーションを実施する地域の課題に向き合う姿勢が必要になってきます。
補助金の対象になるもの・申請の流れ
ここでは、ワーケーションの対象になる費用と申請の流れを以下にまとめました。
▼対象
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- ワーケーション実施時の宿泊費・交通費
- 視察時の宿泊費・交通費・レンターカー代
- サテライトオフィスの設置費用
- 施設利用時の水道光熱費、インターネット利用料
▼申請の流れ
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- 各自治体でワーケーション費用が対象になる補助金を確認
- 補助金の条件を確認し、申請期間内に申請書を送付して申し込む
- ワーケーション実施
- 実施時の領収書・実施レポートや実施時の写真をそえて実績を報告
- 補助金の決定→交付
上記の対象や申請の流れはあくまで一般例です。実際の補助金によって詳細は異なります。まずは自治体に確認し、現在申請可能な補助金があるかを確認してください。なお、補助金は予算が上限に達すると受付が締め切られます。現時点で募集していても実際の申請時には終了になっている可能性もあるのでご注意ください。
企業向けワーケーション補助金を紹介
ここでは、企業が使えるワーケーションの補助金を紹介していきます。
地方でのサテライトオフィス開設・施設利用促進の補助金
企業が地方にサテライトオフィスを開設したり、地方ビジネスを実施したりする際の費用を補助するものです。自治体によってさまざまな種類があり、中にはサテライトオフィスのお試し体験のようなものもあります。
長野市県サテライトオフィス関連の補助金
東京圏から近く移住人気も高い長野県では、サテライトオフィス関連の補助金も充実しています。自治体ごとに募集期間や募集要領が異なるため、ご注意ください。
<長野市サテライトオフィス等開設事業補助金>
公募内容:サテライトオフィスの設置費用の一部を補助する
補助金:補助率は3分の2以内、上限額は定員20名~50人未満の施設で4,500万円
受付期間:2021年度分は公募終了。今後も実施の可能性あり
出典:長野市サテライトオフィス等開設事業の公募について|長野市ホームページ
<上田市サテライトオフィス開設時業補助金>
公募内容:サテライトオフィス開設時の経費に対して補助を行う
補助金:(改修費支援)補助率は対象経費の1/3以内、上限額は150万円
(家賃支援)補助率は月額家賃の1/2以内、上限額は10万円/月
受付期間:2021年度分は公募終了。今後も実施の可能性あり
出典:上田市サテライトオフィス開設事業補助金|上田市ホームページ
山梨県サテライトオフィス等お試し体験事業費補助金
山梨県では、サテライトオフィスのお試し体験に関する事業費の補助金があります。
公募内容:県外企業から山梨県への移転を考えている企業向けに、お試し体験費用を補助
補助金:(30泊以上の長期滞在コース)上限額は1法人あたり100万円
(6泊7日以上の短期滞在コース)上限額は1法人あたり25万円
※いずれも体験者1人あたり1万4000円/泊を上限とする
受付期間:2022年1月現在、公募中~
※利用の際は体験希望開始日より1か月前の事前確認が必要
出典:山梨県サテライトオフィス等お試し体験事業費補助金|山梨県ホームページ
地方でのワーケーション実施を促進する補助金
ここでは企業が地方でワーケーション体験やテレワークを実施することにより、地方の活性化を促進する補助金を紹介します。
長野県信州リゾートテレワーク実践支援金
長野県信州市では、市内で実施されるワーケーションの費用を一部支援しています。
公募内容:信州市内でテレワーク・ワーケーションを実施した場合、実施者の県内宿泊費の一部を支援する
補助金:詳細は窓口まで
受付期間:2021年12月25日より、当面の間受け付け一時停止中
北海道富良野市ワーケーション実証費用助成金
富良野市のワーケーション実施費用助成金は、補助金ではないため要件さえあえば申請・利用可能です。
公募内容:富良野市外の企業が富良野市内でワーケーションやテレワークを実施したとき、宿泊費とワークプレイス利用料の一部を助成
補助金:(宿泊費)助成割合は2分の1、助成限度額は1泊1人あたり1万円
(ワークプレイス利用料) 助成割合は2分の1、助成限度額は1日1人あたり3000円
受付期間:2022年1月現在受付中~
出典:【ご案内】「ワーケーション実証費用助成金」について|富良野市ホームページ
企業がワーケーション補助金を利用する際の注意点
企業がワーケーションの補助金を利用する際は、必ず募集要件を確認してください。
基本的にワーケーションの補助金は、地方に企業や人を呼び込み地域を活性化させることが狙いです。地域外の企業が利用するという条件はもちろん、地域によっては業種や事業内容が指定されていることもあります。
自治体や補助金によって条件や金額、補助対象は違います。人気のある自治体であれば補助金の公募が始まってもすぐ予算の上限に達してしまい受付終了となる可能性があるため、受付期間はこまめに確認しておきましょう。
まとめ
企業がワーケーションを実施することで得られるメリットは多いです。
やり方次第では、単なるリフレッシュだけではなく生産性や帰属意識の向上、社員同士の連帯感や士気を高めることにもつながるでしょう。ただ、ワーケーションのスタイルは多種多少で、休暇に特化したものから短期集中合宿のようなスタイルまであります。
そのためワーケーションを導入する際は以下のポイントを確認したうえで、社内でコンセンサスを取るようにしてください。
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- ワーケーション導入で得たいメリットは何か?
- ワーケーションの目的は?
上記を明確にしていなければ、ただの社員旅行で終わってしまう可能性もあります。
また、補助金の利用を目的にするのは本末転倒です。社内でコンセンサスを得た目的に役立つかどうか?の視点で補助金を探し、賢く活用するようにしてください。
目的が定まったら、お試し体験ができるワーケーションプランの利用がおすすめです。東京圏だと長野県・山梨県はワーケーションプランが充実しているため、お試しでの利用もしやすいでしょう。まずは小さい形で実施してみて、各企業にあうワーケーションを見つけてください。
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この記事の著者
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資格:宅地建物取引士
不動産会社に10年を超えて在籍し、Webの業務をこなしながら宅建の資格を取得。勤務中に色々なお客様の悩みや喜びの気持ちに接して来た経験を活かして、不動産売却(別荘売却)に少しでもお力になれるよう協力します。
売却するということは、お客様の目に留まる集客サイトが必要です。
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