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不動産における指値とは?
指値とは不動産の売買では、買主が希望する購入価格を言います。
1000万円の物件を、800万円なら買うんだけどな~
えぇ・・・でも早く売りたいし、どうしようかしら。
簡単に言えば、このような感じです。
実際、このように買主と売主が直接交渉することはまずありません。
必ず仲介業者(不動産会社)が対応します。
仲介業者が間に入ります「売主」←→「仲介業者」←→「買主」
双方に仲介業者がいる場合「売主」←→「仲介業者A」←→「仲介業者B」←→「買主」
双方に仲介業者がいる場合、少々伝言ゲームみたいな流れになりますね。
この形は、指値だからとかそういうわけではなく、その他の交渉事も、この流れになります。
買主が指定するのが「指値」であれば、売主が指定するのが「出値(だしね)」と言います。
この交渉・調整が進み、買主売主双方が納得いく価格で取引が成立し、取引が終了した価格を「成約価格」と言います。
指値は必ず成功する?通るの?
指値が成功する!!という点において、100%ではないということは断言できます。
売主でも買主でも、人生色々、性格もいろいろあります。
ものすごい気難しい方もいれば、温和で理解ある方もいます。簡単に行くことはないのです。
なので、「不動産のプロだったら必ず指値で通せよ!」というのは、横暴の極みです。もう言葉の暴力です!(T_T)
もちろん、仲介業者の担当者も頑張ることでしょう。頑張らないわけがありません。
何とか成約に持っていきたいと思うのは、不動産会社の営業マンなら当たり前の話です。
無茶苦茶な要望によって取引が成立しないことがいかに時間の無駄かということを経験上よくわかっています。
指値が駄目なのではありません。
無理が通れば道理が引っ込むものなのです。
指値はいくらが妥当?
これはハッキリは言いづらい部分です。
なぜかと言えば、あまりに現実離れした値下げをすれば、売主の機嫌を損ねるでしょう。
仲介業者も良い気分ではありません。
無理をいうお客様だなぁと思ってしまうものです。
あまり強引な値下げをするのも考えものなのです。
もちろん、正当な理由があって、それを伝える分には良いと思います。
例えば、問題点があり、
「リフォームはこちらでするから、その分お安くしてくださいよ~」
とか、
「ウッドデッキの老朽化など、修繕工事が必要でしょう?」
というしっかりとした理由があれば、売主側の頑なな気持ちも、スッと氷解することもありえます。
少しでも高く売りたい!!という売主の気持ちもわからないでもないですが、プロである不動産会社の担当者も、本音では、その金額では売れないと思っていることもあるのも事実です。
相場というものを考えつつ、買主が現れたということは、不動産会社の担当者もチャンスと捉えることもあったりなかったり。
業界に伝わると言われる一般的で有効な目安となる減額幅といえば、10%程度だと言われています。
check!10%の減額を考えてみた場合
1000万円の場合→900万円
2000万円の場合→1800万円
もちろん、何度も伝えますが、全ては値下げ幅が妥当なのかどうなのかです。
売主さんが妥協できない金額があることもわかっていただきたいと思います。
なので、指値を通す正当な理由を買主側が特に伝えることなく、単純に1000万円を300万円で売ってくれ!というのは、あまりにも強引で欲張り過ぎですよね。
むちゃくちゃ過ぎて、間違いなく、お断りされ、無駄に嫌われることでしょう。
こんな事を言うと勘違いされる方もいるので余計なことかもしれませんが、不思議なもので、大幅な指値がうまくいくこともあり、可能性がゼロとは言い切れないのもあります・・・
その場合は、たいてい売主側にのっぴきらない事情があったりするからなんですが・・・
指値のチャンスは実は売主にもある
指値が入るタイミングとして面白いと言っては失礼ですが、やはり相場より高いと思われる場合に多く、事実としてなかなか売れない物件が該当します。
反響はあるし内覧もあるし、気に入ってくれているお客様もいるのに、売れない物件があります。
この場合、指値があることが多く、売主は断固として断るパターンがあります。
そりゃ高く売りたいからという理由はわかりますし、仲介業者としても高く売れれば、仲介手数料も多くなりますが、結果として、仲介業者は経費がかかるので、長く売れないとそれだけ損していきます。
なので、不動産会社だから高く売って仲介手数料を高くしたいんだろうという意見は正しいようで正しくなく、高く売りたいという気持ちは半分より下くらいだと感じます。
さて結局、指値を断り続けて売らない結果、その時の指値より安くならないと売れないことにも繋がります。
また、売れないと、経年劣化、予期せぬ瑕疵が見つかったりと、売主様にも維持費がかかっていくことにもなります。
あの時、最初に提示された指値で売ってればなぁという後悔は、この業界にいると良く聞くものです。
あのときに売っておけばよかった、背中を押して欲しかった、と何人もの人から言われます。
でもその時、きっと背中を押していたはずなんです。
基本的に、都心の駅近物件や、ニセコ、白馬のようなリゾート開発が進む場所以外は、だいたいは値下がるので欲張らない方が良いと思います。
もちろん、高く売れるように全力を尽くすのが不動産会社ですが、「売却のタイミング」というのは、地方こそよくよく考えるべきです。
リフォームしたからその分、高く売りたいんだ、というオーナーの気持ちもわかります。
それでも相場より割高だと、データが示していることを担当者から言われた場合は、売れるタイミングを逃さないようお気をつけください
売主に決定権があるということを知る
正式に契約が決まるまでは、価格が高い方、決済が早い方、現金購入が優先される場合があることを買主側は知っておきましょう。
えっ?と思われるかもしれませんが、1番手、2番手いる物件でも、2番手の方に決まることがあるということです。
check!
- 1番手が指値で購入申込み。
- 2番手が満額で購入申込み。
であれば、売主は満額を優先するでしょう。
または、決済が早い方、現金購入なども、優先理由になります。
中には、人柄を重視する方もいます。
指値をするリスクは、実はここなのかもしれませんね。
契約日が正式に決定するまでは販売活動は続いている
これも、えっ!?って思われるかもしれませんが、契約日が正式に決定するまでは、2番手を確保するために販売活動、案内活動は続くこともあります。(絶対ではないですよ?)
「購入申込書を書いたんだから物件を下ろすべきだ!」というのは実は通らないのです。
あくまでも購入の意思を示す申込みなだけで、法的な取引が成立していないからです。
心情的に優先されやすくなるのは間違いないですが、契約日が決まってないのなら売主の心情もいかほどか。
この時、指値で申し込んでいるのであれば、売主買主の公平性を担保するために、他のお客様には指値の金額は開示しないようにするはずです。
契約日の決定までに内覧があり、1番手の金額以上の購入申し込みがあった時に、1番手の方にお断りをすることがあります。
そのタイミングで1番手がその金額に買い上げるからどうしても欲しいというオファーは受けないのが普通です。
当然、後から案内したお客様には、1番手の金額を開示していないことが前提になります。
公平性を担保するということはそういうことになります。
このケースは、指値をする側も、欲張ってはいけない良い例だとは思います。
このことからも、購入申し込みから契約日までは、なるべく早く決めることも重要になってきます。
もちろん、買主側にも事情があるのはわかりますが、1番手でも実はその権利があるわけではないのはご理解ください。
この件は、対応してくれる不動産会社の担当者とも良くコミュニケーションを取り最善の手をご検討ください。
購入申込書(買付証明書)とは?
check!
- 法的拘束力はない
- 価格交渉の検討材料
- 購入の意思提示
購入申込みとは、売買契約とは違うということを改めて知っていただきたいと思います。
あくまで買主から売主へその物件を買いたいという意思を伝えるものになります。
申込みをすることで契約が成立するわけではありません。条件等によっては、売主が拒否することができます。
売主は自然災害や予期せぬトラブルでの暴落なども考えることも大切
指値が入った時に売っておけば良かった。という例にはこういう事例もあります。
リゾート物件ではありませんが、レオパレスの一棟アパートの売却で、数年前に指値を断ったばかりに、2000万円以上安い価格で売る羽目になってしまいました。
一連のレオパレス問題が起こって、市場価格が暴落したことが原因です。
また、あるお客様は、やはり数年前に古民家再生住宅の指値を断って、今ではその指値よりも1500万円以上も価格を下げても売れていません。
少し前には、土砂災害特別警戒区域に指定されてしまい、実際に近くで土砂災害が起こったからです。
恐らく、さらに1000万円下げても売れないと思います。
こういう事が起きると、仲介業者としても非常に残念なのです。
その時、指値を入れてくれたお客様は、実は救いの神だったのかもしれません。大げさですかね?
まとめ:指値とは買い手のわがままなのか?
指値とは「値下げ交渉」です。これは、買い手のわがままなのでしょうか?
物件の適正価格を探る大事なプロセスとも言えます。
相場は、価値によっても変わります。
なんでこんな田舎なのに高額なの?というものもあったりしますが、価値があるものはやはり高くなります。
オーナーが愛をこめてメンテナンスしてきた家というのは、価値がそこに生まれ、相場以上なのが理解できるものもあります。
あくまでも、売り手と買い手の取引の合意があって、納得すればいいので、そのことに関しては誰も口出しはできません。
私が伝えたいことは、
check!
- 買い手が交渉する際は、上から目線にならないこと。
- 売り手は、欲張らず、タイミングを逃さないこと。
こんなところでしょうか?
皆様に良い物件に巡り会えますように。
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この記事の著者
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資格:宅地建物取引士
不動産会社に10年を超えて在籍し、Webの業務をこなしながら宅建の資格を取得。勤務中に色々なお客様の悩みや喜びの気持ちに接して来た経験を活かして、不動産売却(別荘売却)に少しでもお力になれるよう協力します。
売却するということは、お客様の目に留まる集客サイトが必要です。
このサイトに物件を掲載することが売却への早道になるよう努力し続けます。
ぜひ「いなかも家探し」に掲載してと不動産会社にお願いしましょう。
https://resort-bukken.com/
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