働き方改革やコロナ対策でリモートワークが進み、多くの企業が新しい働き方を模索しています。
中でも注目されている働き方が、休暇の一部を仕事にあてる「ワーケーション」です。日本航空やユニリーバといった大企業が率先して導入していることもあり、自社での導入を考えている担当者様もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、企業がワーケーションを導入する際のメリット・デメリットから具体的な導入事例、ワーケーションに適した場所までご案内します。「会社でワーケーションの導入が持ち上がっているけれど、実際どうなのか知りたい」というご担当者様は、参考にしてみてください。
目次
ワーケーションとは?
ワーク(Work)とバケーション(Vacation)を組み合わせたワーケーション(Workcation)は、休暇の一部を仕事にあてる新しい働き方を指します。
ワーケーションの実施は従業員にとってはモチベーションアップに。企業にとっては生産性の向上といった効果が期待できます。また、いつもと異なる環境で新しいイマジネーションが生まれたり、社員同士のコミュニケーションが活発になったりすることもあるでしょう。単なるリフレッシュ以上の効果を期待できるため、導入を考える企業が増えているのです。
企業が導入するワーケーション事例はさまざまです。有休取得率向上を目的に福利厚生の一環で行ったり、短期の研修・プロジェクト実施のための集中型キャンプとして行ったり。各企業の課題にあわせて多様な形態があります。
ここでは、どのような企業がワーケーションの導入に向いているのか見ていきましょう。
ワーケーションの導入が向いている企業
ここでは、ワーケーションの導入が向いている企業の特徴を以下にまとめました。
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- コロナ禍を機にリモートワーク主体に切り替えたものの、普段会わないことで社員同士のつながりが希薄になっている
- 新サービスの導入にあたり、従業員の士気を高めたり、理解を深めたりしたい
- 業務にマンネリを感じている従業員が多い気がする
- 従業員のモチベーションをアップして離職を防ぐために、喜ばれる福利厚生を考えている
- 他部署をこえてコミュニケーションをすることで、異なる部署同士でのシナジーを高めたい
- 災害や次の感染拡大に備えて、いつでもどこでも働ける仕組みと環境を作っておきたい
このように感じている場合、職場に新しい風を運ぶワーケーションの導入を考えてみるのもいいでしょう。
企業がワーケーションを導入するメリット・デメリット
ここでは、企業がワーケーションを導入するメリット・デメリットを詳しく解説します。
メリット
ワーケーション導入で得られるおもなメリットは以下のとおりです。
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- 有給取得率の向上
- 福利厚生の充実・モチベーション向上によって人材の確保と定着をはかる
- 従業員同士のコミュニケーションを深める
- 生産性・仕事の品質向上
- イノベーションの創出
- 士気を高め、帰属意識を向上させる
- 企業価値の向上
たとえば「有休取得率の向上」は、長期休暇を取りにくい風土がある日本ならではの効果と言えます。いくら有休消化を呼びかけても、なかなか長期休暇を取ろうとしない従業員は多いでしょう。そんなときに「会社が有給休暇を利用できるワーケーション」を実施すれば、従業員全員が気兼ねなく休暇をとりやすくなるのではないでしょうか。
ワーケーションをどう演出するかは、企業の目的によって柔軟に変えられます。有休取得率向上やモチベーションアップが目的なら、旅行やリフレッシュの面を重視してプランを組めばいいでしょう。一方で生産性向上が目的なら、短期合宿のような形でプランを考えるとメリットを得やすいです。
ワーケーションを実施する際は、まず「どのようなメリットを得たいのか」目的を明確にしましょう。
デメリット
ワーケーションの導入で考えられるおもなデメリットは、以下のとおりです。
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- 費用がかかる
- 必ずしも成果が出るとは言えない
- 「どうせなら普通に休暇がほしい」と思う社員もいるかもしれない
- 子どもがいる社員は参加しづらい
- 効果測定が難しい
特に大きなデメリットは費用がかかること、そして成果が出るかどうかわからない点です。
費用をかけてワーケーションを実施したからと言って、すぐ数字につながるような大きなアイディアが出て生産性がぐっと上がるとは限りません。ただし、これは福利厚生の効果測定が難しいことと同じです。特にワーケーションは社員のモチベーションや士気への影響を期待するものなので、長期で実施して会社全体の様子がどう変わるのかを見ていくしかありません。
ワーケーションは一度で結果が出るものと思わず、継続的に実施し、方法を少しずつ改善していくことが大切です。
企業のワーケーション導入事例
ここでは、実際にワーケーションを導入している企業の事例を紹介します。
日本航空株式会社(以下、「JAL」と記載)
従業員数:
1万3,869名(2020年3月現在)
事業内容:
航空機を使用した種々の事業
ワーケーション導入の目的:有給取得率の向上
概要:
大手航空会社のJALでは、働き方改革の一環でワーケーションを実施。ただし有給の消化を目的とし、移動費や宿泊費は従業員負担。あくまでリゾートや観光地でテレワークを行う休暇重視のスタイルが導入された。ワーケーション実施者に行ったアンケート調査では「モチベーションが上がった」との報告があった。
JALのケースは元々「長期休暇を取ると、その後の業務に対する不安やストレスがある」という社員の声が後押しになっています。そこで長期休暇中でもテレワークで一定の業務をこなすことを可能にしました。従業員はストレスを感じずに休暇を楽しめ、企業にとっては有休取得率の向上につながった事例の一つです。
株式野村総合研究所(以下NRI)
従業員数:
6,353名(2020年3月現在)
事業内容:
コンサルティング、金融ITソリューションなど
ワーケーション導入の目的:
従業員のモチベーション維持とイノベーションの期待
概要:
NRIのワーケーションは、徳島県三好市にある古民家で行う中期滞在型のキャンプ形式。平日は通常業務・週末は休暇を取る形で1か月を前後2週間に区切り、1年に3回実施されている。体験した社員は考え方が変わったり、地方の課題に対する視野が広がったりと、めざましい成長を見せている。
NRIの事例では、普段の生活を丸ごと違う環境に移しています。その結果、日常の中で生まれる小さな気付きが積み重なり、会社の中では得られなかった価値観の創出につながったのではないでしょうか。このように、地方にサテライトオフィスを構えて定期的にワーケーションを実施し、イノベーションを期待するスタイルもあります。
企業向けワーケーションに適した場所
ここでは、ワーケーションの導入を考えている企業に適した場所として、長野県と山梨県を紹介します。
長野県と山梨県をおすすめする理由は、以下の3つです。
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- 首都圏から行きやすく、交通アクセスが良い
- ワーケーションプランが豊富
- ダイナミックな自然とほどよい街が形成されている
どちらの県も、東京から1時間~1時間半程度で向かえる交通アクセスの良さがメリットです。気軽に行けるため、週末や3連休の際にワーケーションプランを立てることも可能でしょう。
元々東京へ近いリゾート地ということで移住者人気が高く、移住者やワーケーション向けのプランが充実していることも魅力の一つです。サテライトオフィスの誘致に力を入れて補助金を実施しているところもあるので、使える補助金がないか確認してみるといいでしょう。
まとめ
長期休暇を取りにくい風土のある日本では、ワーケーション市場はまだまだ発展途上にあります。
しかしご紹介したJALのように有休消化を促すプランもあれば、NRIのようにサテライトオフィスを設けてモチベーション維持やイノベーションを期待するプランもあります。ワーケーションの目的にあわせて多様な働き方を選べるため、企業の課題にそったプランを作れば大きな効果を期待できるのではないでしょうか。
企業が率先してワーケーションを導入すれば、従業員は気兼ねなく長期休暇を取りやすくなります。いつもと違う環境に身をおくことで、新しいアイディアや価値観に気付くかもしれません。
いずれにしても、実施してみなければ効果はわからないのです。まずは、近距離の長野県・山梨県方面でお試しワーケーションを実施してみましょう。小さく始めて少しずつ自社にあわせて適切なワーケーションスタイルへと調整していけば、課題解決につながるはずです。
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この記事の著者
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資格:宅地建物取引士
不動産会社に10年を超えて在籍し、Webの業務をこなしながら宅建の資格を取得。勤務中に色々なお客様の悩みや喜びの気持ちに接して来た経験を活かして、不動産売却(別荘売却)に少しでもお力になれるよう協力します。
売却するということは、お客様の目に留まる集客サイトが必要です。
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