外装塗装って聞いたことはあるけれど、「メンテナンスって必要なの?」、「どれくらい費用がかかるの?」といった疑問を持つ方は多くいるかと思います。
この記事では、外装塗装の劣化のサインやタイミング、メンテナンスの費用や業者の選び方について詳しく掘り下げて解説しています。
ご自宅の健康と機能を保つために必要な外装塗装について、理解を深めましょう。
目次
外壁塗装の基本
外装塗装とは
まず、外装塗装とは、建物の外壁に塗料を塗る作業を指します。
これは、単に外観を美しく整えるだけではなく、建物の耐久性や保護性を向上させるために行われます。
雨、雪、風や日差しなどの外からダメージを受ける建物の外壁は、時間とともに劣化してしまいます。しかし、適切な外装塗装を施すことで、その劣化を抑え、建物を長く美しく、耐久性を向上することが可能となります。
外装塗装の必要性
建物を保護する役割
外装塗装が必要とされる理由は多岐にわたりますが、その主な点を挙げるとすれば、建物の保護です。
塗料による外装塗装は、外壁を効果的に防水し、耐久性を向上させることで、建物の損傷や劣化を防止する役割を果たします。これにより、建物の寿命を延ばし、修繕や補修のコストを抑えることができます。
建物を美しく保つ役割
さらに、外装塗装は建物の外観を良く見せ、物件価値を維持・向上させる重要な役割を果たします。建物の外装の美しさは建物の印象を左右します。
したがって、外装塗装を定期的に行うことで、建物の価値を保ち、将来的に売却する時にも有利になります。
外装塗装の実施すべきタイミング
外装塗装を考えるとき、適切なタイミングを見極めることも重要です。外壁の劣化や塗料の耐用年数を考慮して、最適な時期を見定めましょう。
張り替えの時期・シーズン
外装塗装に適した季節は様々ですが、一般的に春がベストとされています。
春の安定した気候は塗装に最適であり、梅雨や台風の影響を受けにくいです。ただし、地域や気候によっては夏や秋が適している場合もあります。
業者によっても意見は異なるため、地域や気候に合わせて相談してみましょう。
また、外装塗装を行う際には気温や湿度に注意が必要です。以下の条件を満たした際に塗装を行いましょう。
- 気温が5℃以上である
- 湿度が85%未満である
- 雨や雪、強風が吹いていない
これらの条件を満たしていないと塗装がうまくできず、乾燥不良や塗膜のはがれといった問題が生じる可能性があります。
張り替える状態
外壁塗装を行うタイミングは、一般的に10年周期が目安とされています。
ただし、外壁の劣化や塗料の種類、施工方法によって耐用年数は異なります。外壁に以下の症状が見られた場合は、塗り替える時期が近いかもしれません。
チョーキング現象 | 外壁に触れた際にチョークに似た白い粉がつく |
---|---|
カビの発生 | 防水効果がなくなり、湿気が原因で外壁にカビが繁殖している |
変色・退色 | 紫外線の影響で塗料が劣化し、色あせや変色が生じている |
ひび割れ | 外壁に細かいひびが入っている |
ふくれ(剥がれ) | 塗膜が剥がれたり、ふくれ上がったりしている |
これらの症状が見られたら、早めに専門家に相談して塗り替えを検討しましょう。
外装塗装をしないと起きるトラブル
外装塗装を怠ると、ひび割れや剥がれが生じ、汚れや色あせが目立つようになります。
また、冒頭でもお伝えしましたが、防水性が低下し、雨漏りや浸水のリスクが高まります。雨水や湿気が外壁に侵入し、内部の構造物や壁紙などに損傷を与えるおそれがあります。
これにより、修復や補修が必要となり、費用や手間がかかることが考えられます。
外壁の劣化や腐食が進行すると、建物全体の強度や耐久性が損なわれ、安全上のリスクが高まります。特に、長期間にわたって外装塗装を怠ると、建物の構造的な問題が深刻化し、修復が困難な状態に陥ることがあります。
その結果、建物の価値が低下し、資産価値が減少する可能性があります。
以上の理由から、外装塗装の定期的なメンテナンスは、建物の美観や耐久性を維持し、将来起きるトラブルを予防するために必要不可欠な作業になります。
外装塗料の種類
外装塗料の種類には、建物の特性や所有者のニーズに合わせて選ぶ必要があります。
それぞれの塗料には特長があり、外壁のデザインや予算、また、耐久性や塗装頻度などの状況によって変わってくるため、ご自宅にあった塗料を検討することが大切です。
耐用年数 | 費用相場 | 特徴 | |
---|---|---|---|
アクリル塗料 | 約5年 | 1000〜1500円/平米 | 長い歴史のある塗料で、比較的安価。 |
ウレタン塗料 | 約7年 | 1800〜2500円/平米 | アクリルよりも耐久性は勝り、コストも低価格な塗料。 |
シリコン塗料 | 約10年 | 2000〜3000円/平米 | 塗装の主流になっており、コストと耐用年数のバランスが取れている。 |
ラジカル制御形塗料 | 約12年 | 2500〜4000円/平米 | 低汚染の考慮など高性能な塗料。 |
フッ素塗料 | 約13年 | 3500〜5000円/平米 | 耐久性が強く、ビルやマンションなどに使用されている。 |
無機塗料 | 約15年 | 4000〜6000円/平米 | 耐用年数が長くて20年のため、高い耐久性が期待できる。 |
これらの外装塗装の種類は、それぞれの特長やメリット・デメリットを考慮して、建物のニーズに適した選択をすることが重要です。
施工のポイント
どこが劣化してるか把握
外装塗装をする上で、まず大事なのは外壁の劣化箇所を把握することです。外壁の種類や劣化の状況を細かく調査しましょう。
塗料の劣化や外壁・屋根材の劣化、そして構造クラックなど、放置すると雨漏りの原因になる可能性がある部分も見逃さずにチェックします。
外壁塗装は、ただ単に塗るだけではなく、しっかりとした下地処理や補修が必要な場合もあるので、しっかりと現状を把握して最適な工事プランを立て流ことが大切です。
見積もりの確認
外装塗装の見積もりを取る際には、いくつかのポイントをしっかりと確認することが重要です。まず、見積書に下地処理や養生の費用が含まれているかを確認しましょう。
これらの工程は塗装の耐久性や仕上がりに直結するため、しっかりと費用が計上されていることが重要です。
また、保証内容や施工会社の情報も見逃さずに確認しましょう。業者の信頼性や施工後のサポート体制など、安心して依頼できるかどうかをチェックしましょう。
塗装後のイメージが違う
外装塗装をする際に、色や仕上がりのイメージが思った通りにならないことがあります。これを避けるためには、正しい知識を持って色を選ぶことが重要です。
色のサンプルを見て決めるだけではなく、色の彩度や明度などを考慮して、実際の塗装面に合わせて色を選びましょう。
また、周囲の建物との色のバランスや、塗装後のイメージを想像してから決めることも大切です。しっかりとした色選びをすることで、仕上がりに満足できること間違いありません。
外部塗装のメンテナンスと費用
メンテナンスの4つのメリット
外装塗装は、家の美しさを保つだけでなく、建物を長持ちさせるためにも重要なメンテナンス工事です。
外装塗装をすることで、建物の見た目が一新され、耐久性や断熱性、防汚性などの機能も向上します。
美観の保持
建物の外観が新築時のように美しくなります。古くなった外壁をリフレッシュすることで、家全体の印象も変わります。
また、外壁の色を変えることで、建物の雰囲気を一新することも可能です。
耐久性の向上
建物を外部からのダメージから保護する役割も担っています。塗料が壁面を保護し、耐久性を向上させるため、建物の寿命を延ばすことができます。
断熱・遮熱性の向上
断熱・遮熱効果も期待できます。適切な塗料を選ぶことで、室内の温度を一定に保ち、冷暖房の効率を向上させることができます。
防汚性の向上
使用される塗料には、防汚性を向上させる効果があります。これにより、外壁が汚れにくくなり、美しい状態を長く維持することができます。汚れにくい外壁は、家の美観を保つだけでなく、メンテナンスの手間も軽減します。
メンテナンス方法
ご自宅でのお手入れやメンテナンスも家の健康状態を保つ上で重要です。
外壁の素材によって、メンテナンスの方法が異なります。ここでは一般的な外壁材とメンテナンス方法を一部ご紹介していきます。
窯業系サイディング
外壁の主流であり、広く使われています。板状の外壁材でセメントに繊維質を混ぜて作られ、色や柄のバリエーションが豊富です。
メンテナンス方法: 埃など汚れは水で外壁を洗います。頑固な汚れは、住まい用洗剤を使って軽くこすり洗いし、水でしっかりと洗い流します。高圧洗浄機の使用は避け、どうしても落ちない汚れは業者に任せましょう。
モルタル
モルタルはセメントや砂、水を混ぜて作られた外壁材です。
メンテナンス方法: 基本的にはサイディングと同じ用法でお手入れをします。
大きな破損には塗り替えが必要です。また、ひび割れがある場合は、塗料の下塗り材やシーリング材を使って補修します。
ALC
ALCは気泡のある軽量コンクリートでできた外壁材料で、耐久性と断熱性に優れています。しかし、吸水性があり、雨水が侵入するため定期的な塗装で防水性を維持する必要があります。
メンテナンス方法: ALCの外壁は塗装で防水されているため、定期的な塗り替えが必要であり、同時にシーリングの増し打ちも行います。汚れはブラシやスポンジでこすり洗いし、しっかり水で洗い流します。頑固な汚れを落としたい時は高圧洗浄機の使用が可能です。
外壁の素材ごとに適したメンテナンスを行うことで、建物を美しく保ち、耐久性を高めることができます。定期的なメンテナンスを怠らず、建物の価値を守りましょう。
外部塗装の費用
外装塗装の工事は、建物ごとに状況が異なるため、劣化状況や選択される塗料、施工条件によって工事代金は変動します。
以下の表は大まかな面積と費用相場になります。参考までにご覧ください。
坪数・面積ごとの費用相場
坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
---|---|---|
20坪 | 約80平米 | 約70〜90万円 |
30坪 | 約120平米 | 約80〜100万円 |
40坪 | 約150平米 | 約90〜130万円 |
50坪 | 約200平米 | 約100〜150万円 |
60坪 | 約230平米 | 約110〜200万円 |
外装塗装の費用は、建物の外壁や屋根の面積、塗料の種類、施工条件などによって決定されます。建物の形状や状況に合わせて、適切な見積もりを出してもらい、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
外壁塗装費用の内訳
ここでは外壁塗装にかかる費用の内訳も見ていきましょう。
項目 | 割合(%) |
---|---|
塗装費(材料費) | 20% |
足場費 | 20% |
人件費 | 30% |
その他 | 30% |
塗装費
塗料費は一般的に外装塗装費用の約20%を占めます。
外装塗装の費用において、最初に考えなければならないのは、塗料費です。塗料の種類や品質、量によって、費用が大きく異なります。(前述した「外装塗装の種類」表を参考)
足場費
足場費は、工事全体費用の約15~20%を占めます。
外装塗装を行う際には、必ず足場を組む必要があります。足場は、職人が安全かつ効率的に作業を行うために不可欠なものです。建物の大きさや高さ、作業のしやすさによって費用が異なりますので、事前にしっかりと見積もりを行うことが重要です。
人件費
人件費は、全体の約20~30%を占めます。
外装塗装の費用の中で、職人にかかる人件費があります。外装塗装は、専門のプロ出ないと任せられない作業であり、そのために必要な費用が人件費として発生します。
諸経費
最後に、諸経費について説明していきます。諸経費には、運搬費や交通費、廃材処分費などその他の費用が含まれます。
これらの費用は、外装塗装工事を円滑に進めるために必要なものです。安価な諸経費は、時にはサービスが不十分である可能性もありますので、適切な費用が必要です。
外装塗装業者の選び方
外装塗装をする際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。悪徳業者や手抜き工事する業者を見極めるためにも、まずは業者の保証内容や施工会社の情報をしっかりと確認しましょう。
信頼できる業者の特徴
信頼できる外装塗装業者を選ぶには、いくつかの特徴があります。
まず、現状の診断結果を写真や図を使って丁寧なカウンセリングとプランニングしてくれる業者は信頼できる可能性が高いです。また、工事内容を明確に提案してくれる業者や、見積もりの内訳を詳細に出している業者も信頼性の高い業者と言えるでしょう。
さらに、施工後の保証や定期無料点検、メンテナンスを提供してくれる業者は、長期的な安心感を提供してくれます。
また、業者を選ぶ上で以下のようなチェックポイントを抑えることで優良業者か悪徳業者を見極めることにもつながります。
- 見積もりをしっかり取る
- 施工実績を確認する
- 営業スタッフの対応は適切か確認する
- アフターサービスや保証内容の確認をする
- 複数業者から相見積もりを取り比較する
塗装業者を選ぶ際の注意点
外装塗装業者を選ぶ際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
まず、訪問販売の悪質業者には注意が必要です。訪問販売の業者からの契約勧誘には慎重に対応し、安易に契約しないようにしましょう。
また、値引きや無料サービスを提供している業者にも注意が必要です。安いだけあって、サービスが不十分であったり、手抜き工事を行なっている可能性もあります。
以下のような業者は悪徳業者の可能性が高いため、しっかりと確認してから契約をするようにしましょう。
- 訪問販売の悪徳業者に注意
- 契約を急かしてくる業者は避ける(「今契約したら割引きします」など)
- 見積書の内訳が曖昧
外装塗装業者を選ぶ際には、信頼性や実績、提供するサービスの内容を確認することが重要です。少しでも怪しいと感じた場合、細く質問したり、施工実績の確認や複数業者に見積もりを取って比較検討しましょう。
これらのポイントを抑えて、安心して外装塗装を任せられる業者を選びましょう。
まとめ
外装塗装は、住まいの外観を美しく保ちながら耐久性を向上させる重要なメンテナンス作業です。
また、外装塗装のメンテナンスを怠ると、雨漏りや外観の劣化、修理費用の増大といったリスクがあります。
定期的なメンテナンスを行うことで、住まいの健康状態を保ち、快適な生活を実現することができます。
それぞれの方法には特徴とメリットがありますが、どの方法を選ぶにせよ、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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この記事の著者
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資格:宅地建物取引士
不動産会社に10年を超えて在籍し、Webの業務をこなしながら宅建の資格を取得。勤務中に色々なお客様の悩みや喜びの気持ちに接して来た経験を活かして、不動産売却(別荘売却)に少しでもお力になれるよう協力します。
売却するということは、お客様の目に留まる集客サイトが必要です。
このサイトに物件を掲載することが売却への早道になるよう努力し続けます。
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