八ヶ岳紅葉の頃と災害に思うこと

八ヶ岳・蓼科・北杜市の情報

 

皆様こんにちは、八ヶ岳スタッフの山田です。

台風の影響は如何でしたでしょうか? 台風15号、19号

そして一昨日からの大雨による浸水被害と、昨年は西日本に

甚大な被害をもたらし、今年は千葉県、長野県、関東圏と

福島県、岩手県と広範囲に爪痕を残した気象災害、

とても恐ろしく感じました。

お気に入りのランニングコースからの様子10月28日

 

今まで災害に遭われた事のない地域や比較的安全とされた地域、

災害を想定し計画されてきた堤防や警戒区域も、はっきりと

「安全な場所はない」という事に、認識を改めたこの台風による影響。

今回は、八ヶ岳エリアの紅葉の様子と私事ではありますが、

被災の経験から思った事を書きたいと思います。どうぞお付き合いください。

レインボーライン付近から八ヶ岳の様子10月28日

 

WEBなどのニュースで19号の水害による被害を映像で見ていると、

学生時代アラスカを旅行中に野営したキャンプ地が雪解け水の

濁流にのまれた時の事を思い出しました。

数日間暖かい日が続き絶好のハイキング日和だった旅行中、

河も遥彼方の長閑な丘陵の草原にテントを設営したはずが、

翌朝は見渡す限りの泥の河の真ん中に取り残され途方に暮れて、

自然の中での自分の存在は無に等しい事を知りました。

甲府盆地方面は霞んで、10月28日

 

1995年(平成7年)1月17日阪神淡路大震災発生時は、

兵庫県西宮市に両親と共に在住しており命は助かったものの

自宅のマンションは全壊被害に遭い、地震の恐ろしさを体験しました。

 

2011年(平成23年)台風12号による紀伊半島大水害により

代々林農を営む実家がある集落は、那智川の氾濫で広範囲に

浸水し田畑は壊滅的な被害を受けました、実家の向いは鉄砲水で流され、

多くの親戚も犠牲者になり無念な思いもしました。

築150年以上の那智谷の実家、水害からの復興を果たし順調な稲の発育 2019年8月10日

 

紀伊半島大水害の発生半年前、同年3月には東日本大震災があり、

当時八ヶ岳に移住していた私たち家族も不安な日々を過ごした

記憶があります。

清里自宅、庭の屋根に届くほどの積雪 2014年平成26年豪雪

 

さらには2014年平成26年豪雪により広い範囲の八ヶ岳エリアで

一週間近く雪に閉ざされ孤立した経験も災害と云えると思うのですが、

この日本で大小関係なく災害による被害に遭われた事が無い人は

いないではないでしょうか?

小海線清里駅付近踏切、1週間程運休 2014年平成26年豪雪

 

車を掘り起こす作業途中、しかし清里周辺だけでなく 山梨県峡北地区は幹線道路が全て麻痺状態で車の移動は 不可能だった数日間  2014年平成26年豪雪

 

例えば、今季二つの台風により山梨方面、長野南信方面と東京都心を

結ぶ大動脈である中央高速道が通行止めになりJR中央本線も

長期間運休となり、観光圏は経済的な損失と日常生活での不便を

余儀なくされています。 今後、千葉県、茨城県、栃木県、

山梨県、長野県を生産拠点とする農作物の価格が高騰するでしょう、

もちろん直撃を受けて住む場所を丸ごと失う損失に比べれば、、、

という事ですが、それでもこの日本に住む以上全てが繋がっており

被災地とその周辺そして災害を免れた地域も、何らかの形で影響を

被ると考えます、それは思わぬ処からじわじわと忍び寄ってくるのです、

東日本大震災当時の事ですが、運営しているギャラリーで取り扱っている

陶磁器の産地の一部が大きな損害を受け築窯の復興に莫大なコストが

かかったのですが、これは直接的被害で誰もが想像しうるのですが、

その一年後に起こった問題として、薪窯にこだわる作家からの報告で、

使用する薪から放射能の基準値を上回る数値が出て、更には使用している

薪窯からも、、、と云う話になりました。

清里らしい牧歌的な草原の様子10月28日

又長野の猟仲間からの猪や鹿からも基準値を上回る放射能が検出されたと

話を聞きました、当時仲の良かったオーストラリア人は恐れて帰国し

てしまいました(特に欧米では放射能汚染に対しての恐れ方は異常な程です)

または自営業でパティシエをしている友人は、流通網の寸断によって、

日時指定の商品の発送が出来ず困ってしまったケースや、地方の特色ある食材を

看板メニューにしているレストランなど、茸、先ほどのジビエ食材も放射能により

想定していなかった二次災害とでもいうのでしょうか、

どこか一箇所で災害が起こる事によって徐々に各地へ影響が広まっていく事を

考えると、我々人間はそれぞれ個々に独立している様で実はとても大きな共存網で

繋がっており何もかもが関わりのある事だだという事に気づかされます。

我々はメディアに取り上げられる一方的且つ独断的な情報に接して、

他人事の様に感じたり、根拠のない安全説に振り回されるような事が

無い様にしたいですね。 例えば台風のさなかに議員が何をしていたとか、

多摩川の決壊は人災であるとか、知事は何をしているとか、ダムのおかげで

被災を免れたとか、根拠のないハッキリ言ってどうでもいい話題に付き合わず。

我々は自身の災害による被害を最小限に食い止め、身の安全の確保と、

災害後の日常への早期復旧を目指さなければなりません。災害において被る

被災は全て自身が選択してきた結果なのです。人や企業、行政のせいにしたり、

あてにするのではなく我々自身で減災を考えなければならない時代の様です。

 

紀伊半島大水害当時健在だった祖母と一緒に洪水の後始末に追われていた頃、

この那智谷の水害は今に始まった事ではなく、代々洪水と戦ってきた歴史を語ってくれました。

昔は水が引いた後、直ぐに鋤鍬で畑を耕せたそうです、洪水によってより肥沃な土が

運ばれてくるそうで、畳ははがして畑の肥料に、流れてくるものも殆んど田畑で燃やせるものばかり

昨今の様に水害の後のごみの様に処分に困る物は何もなかったそうです。この水害時は、

田畑に流された車や住宅の新建材残骸やスティール物置、プロパン、プラスティック、

散弾実包等々、個人では処分できない物ばかりでした、畳でさえ芯材にスタイロフォームを

使っており処分は産業廃棄物として出さなければならず、他人の所有物が自分の広い田畑に

山の様に流れて来ており、ほとんどが土砂に半分以上埋まって重機による撤去しか方法は

ありませんでした、実家は150年以上前の汲み取り式の古い家だったので

片付けと云えば濡れてしまった畳を畑に敷いて、床下の泥を掻き出し、板間の泥を拭いて障子を貼替、

仏壇を丁寧に洗って、畳を新調したら直ぐ日常生活に戻って、田畑の原状回復に集中したことを

覚えています。集落の他の家は、建物の取り壊しから始まって車・トラクターの廃車処分、

浄化槽の再設置等かなりのコストを要して農業を放棄してしまい多額のローンを抱えて

再出発する住民がほとんどでした。

那智谷復興後三年目の田植えを待つ水田 2019年4月頃

 

 

洪水後、集落で農業を続けているのは我が実家だけとなってしまい空き地が目立つ集落に

なってしまいました、もし実家の家屋が普通の新建材の家であったら、我が家も農業を

残念せざるを得ない状況だったと思います。祖母は質素でシンプルな生活をしていたので、

被災後の立ち直りも早かった様です。

昔ながらの座敷と仏間、畳も新調

 

関東大震災の時は、家屋の倒壊を恐れて畳を畑にひいて寝たきりの曽祖父の世話を

屋外でしたり、大戦中は農作業中に米軍の兵士による気まぐれな機銃掃射を受けても、

農作業を続けた強者でした。そんな祖母が洪水の後片付けの時に教えてくれたのは、

「地震も洪水も仕方がないけど、人のやった不始末が一番大変」の一言でした。

余分な物を何も持たなかった祖母、とても真似はできませんが99歳まで元気で生涯を

過ごした祖母からは多くの事を教わり自分が年を重ねていくに従って祖母が言っていた

?な事も、腑に落ちる様になってきました。

職場のある大泉町のギャラリー庭の紅葉 2018年10月末

 

都市部では自然災害時に非常にリスクが高まる事の一つに電源喪失が挙げられますが、

東日本大震災当時、震源地から三百キロ以上離れた北杜市でも恐ろしく揺れ停電が

長時間派生しました。3月だったこともあり、ボイラーが凍結破裂する家屋が多発して、

オール電化の家では寒さに耐えきれず避難した知り合いも大勢いました。

 

9月に発生した台風15号も千葉県での大規模停電を引き起こし交通機関も麻痺して

しまい陸の孤島と化してしまい数日間影響を残しました。 電源に対する備えは

蓄電池(ポータブルバッテリー)を使用するという考え方もあるでしょうが、

インフラ自体が機能しない場合意味がありません。例えば携帯電話の基地局も

電源喪失による影響を受けます。ガソリンスタンドも電気による給油装置の為、

給油できないエリアも多かったと聞きます。ガソリンは備蓄が難しい燃料ですが、

我が家では10リットル×2缶を常に備蓄して交互に使用し補充しています。

八ヶ岳の様な山間部では、停電時、車が災害時の一番重要なツールになるからです。

暖を取るのも、涼を得るのも、充電するのも、情報を得るのも、避難するのも

車が役割を担ってくれます、(水害の場合は逆にリスクを高めますが)

車に避難用の防災セットと最低限の飲料水を備蓄して置くのも備えに有効な手段

かもしれません。災害発生時に必ず全員が在宅しているわけではないので、

それぞれ家族の避難シュミレーションも重要だと思います。

清里町自宅周辺の森

 

地震の場合は建物の耐震、家具や什器の転倒防止を意識して、水害に関しては、

やはり国土交通省が公開しているハザードマップを参考に河川の形状・立地の

高低も良く考え地元に古くから住む人の意見も参考に防災計画を考える必要があります。

良く言われている事ばかりでしょうが、私の経験からも同じ考えに至ります。

実際各家庭において家族構成や建物の耐震性、住んでいる地域、家族の病歴や、

ペットの有無、学校や勤務先の距離や交通機関等、それぞれの家庭によって、

災害時のリスクは違います、避難勧告が出た場合でも、従うのがいいのか、

別の避難方法を採るのかも、家庭によって考えなければなりません。

紅葉のスポット赤い橋(清里)2019年10月26日の様子

 

今一度皆に置かれましてもこの機会に災害について考えて見ては如何でしょう。

自然の恐ろしさ、厳しさを実感するこの時期ですが、美しさ素晴らしさもまた

我々が心惹かれる事も事実です。八ヶ岳エリアの紅葉はこれから11月初旬が

見頃となっております、是非お越しください。

険しい渓谷を遡ってたどり着く自然の庭園美

 

長々とお付き合いありがとうございました、そんな私が八ヶ岳山麓生活の日々を

インスタグラムで紹介しています。ご興味がございましたら、

チェックしてみてください。

www.instagram.com/yatsugatake_foot になります。

よろしくお願いいたします。

それではご案内でお待ちしております。

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